七夕といえば、織姫・彦星の伝説や、七夕飾りが思い浮かぶでしょう。みなさんも、子どもの頃、短冊に願い事を書いてつるした思い出があるのでは?
七夕は、中国の乞巧奠(きっこうでん)というお祭りと、日本古来の行事が融合してできたもの。全国各地に七夕にまつわる行事が残っており、その規模や美しさで有名なお祭りがたくさんあります。
※七夕の由来についてはこちら → 七夕
■七夕飾りを作ってみましょう
七夕飾りには、ひとつひとつに意味があります。由来を知って飾ってみるとまた楽しくなりますね。
五色の短冊:願いごとや「天の川」など七夕にちなんだことばや絵を書いて下げます。五色というのは古代中国の陰陽五行説 ※ にちなんでいます。
※陰陽五行説 「木、火、土、金、水の5つの要素が、この世のものすべての根源である」という説。五色で「木=青・火=赤・土=黄・金=白・水=黒」を表しています。
吹き流し:織姫の織り糸を表しており、五色を用いて魔除けの意味もあります。紙風船かくす玉に五色の紙テープを適当な長さに切って貼りつけます。
網飾り:魚を捕る網を表しています。豊年豊作大漁の願いを込めて飾ります。
折鶴(千羽鶴):長寿を願い、長寿のシンボルである鶴を折り紙で折ります。
神衣(かみこ):紙の人形(着物)を飾ると、裁縫が上達し、着るものに困らなくなるといわれています。災いを人形に移すという意味もあります。
財布(巾着):金運上昇を願い、折り紙で折ったり、本物の財布を下げたりします。
くずかご:ものを粗末にしないという意味で、七夕飾りを作る時に出た紙くずを、折り紙のかごに入れてつるします。
七夕飾りや笹は、七夕の夜のためのものなので翌日には取外します。本来は川に流して清めるものですが、川には流さないで小さく切ってごみの日に出しましょう。ただし、願い事を書いた短冊は、近所の社寺に持ち込めばお焚き上げしてもらえます。
■全国の有名な七夕祭り
「月遅れの七夕」として、8月7日前後に七夕を行う地域が全国にあります。旧暦では7・8・9月が秋にあたるため、7月といえば初秋の行事。そのころの季節感でお祭りができるよう、ひと月遅れの8月に七夕を行うところが多いのです。
ねぶた祭り 8月2日~7日 青森県青森市
七夕の夜にケガレを人形に移して川や海に流したのが始まりで、京都の文化が日本海を渡って伝来したという説もあります。「ねぶた」は「眠気をはらう」からきているそうです。
仙台 七夕祭り 8月6日~8日 宮城県仙台市
商店街が主催する大規模な七夕祭り。豪華絢爛な七夕飾りが有名で、全国から観光客が訪れます。
七夕人形 8月6日 長野県松本市
家々の軒先に七夕人形をつるし、子どもの着物を着せて厄祓いをするという全国でも珍しい七夕習俗です。
精大明神例祭 7月7日 京都府京都市
蹴鞠(けまり)の神様に蹴鞠を奉納後、地元の少女たちが、元禄時代の姿で七夕小町踊りを披露します。精大明神例祭の行われる白峯神宮は、蹴鞠の神様『精大明神』を祀る事からサッカーの神様として有名です。
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2012年06月28日