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お正月と鏡餅

2012年12月25日

昔も今も祝いごとや祭りなどの時によく登場する餅。餅は稲の霊が宿るハレの日の食べもので、食べると生命力が与えられると考えられ、神様に捧げる神聖なものだったのです。
正月には鏡餅を飾り、雑煮をいただきます。実は、鏡餅を知ることでお正月の本当の意味がわかってきます。

 

鏡餅.png

 


■なぜ鏡餅を飾るの?
元旦には「年神様」(としがみさま)という新年の神様が、1年の幸福をもたらすために各家庭にやってくるとされています。お迎えした年神様の依り代(よりしろ)、つまり居場所が「鏡餅」なのです。
年神様は祖霊神であり、田の神、山の神でもあります。そのため、子孫繁栄や五穀豊穣に深く関わり、人々に健康や幸福を授ける神様として、「正月様」、「歳徳神」(としとくじん)とも呼ばれて大切にされてきました。そもそも一連のお正月行事というのは、その年神様を迎え入れてお祝いし、たくさんの幸せを授けてもらうためのものなのです。

 


■鏡餅の役割
年神様は、新しい年の幸福や恵みとともに、私たちに「魂」を分けてくださると考えられてきました。「魂ってなに?」と思うかもしれませんが、「魂」とは、私たちの生きる力、気力のようなものです。
では、どうやって年神様から「魂」を分けていただくのでしょうか。年神様の「御魂」(みたま)は、年神様が依りつく鏡餅に宿るとされ、この鏡餅の餅玉を分けていただくことで「魂」をいただいたのです。
その年の魂となる「年魂」をあらわす餅玉は、家長が家族に「御年魂」「御年玉」として分け与えました。これがお年玉のルーツで、玉には「魂」という意味があります。

そして、いただいた「魂」を体内に取り込むための料理が「雑煮」です。ですから、お雑煮には必ず餅が入っており、お雑煮を食べないと正月を迎えた気がしないというのも当然なのです。

また、年神様に毎年分けていただく「魂」の数を数えれば年齢になります。母親のお腹の中にいるときにすでに魂があるから誕生時は1歳で、その後は元旦がくるたびにみんな一斉に年をとりました。それが「数え年」です。

さらに、鏡餅には「歯固め」という意味もありました。丈夫な歯の持ち主は何でも食べられ、健康で長生きできます。そこで、新年の健康と良運とさらなる長寿を願う行事を「歯固め」といい、固くなった鏡餅を食べました。現在の鏡開きが「歯固め」の儀式にあたります。そういえば、「年齢」という言葉にも歯の字が含まれていますね。

 


■鏡餅はなぜ丸い?
鏡餅が丸いのは、昔の鏡に由来します。
昔の鏡は丸い形をした銅鏡でした。天照大神から授かった三種の神器※のひとつであり、伊勢神宮をはじめ、鏡をご神体としているところもたくさんあります。
鏡餅は年神様の依り代ですから、ご神体としての鏡をお餅であらわし、「鏡餅」と呼ばれるようになったのです。
鏡餅の丸い形は、昔の丸い鏡を模した「魂」の象徴で、大小2段で月と太陽、陰と陽を表していて、円満に年を重ねるという意味も込められています。

※天照大神から授けられたとする鏡、剣、玉を指し、皇位継承の証として歴代天皇が継承している三種の宝物。

 


■鏡餅の飾り方と意味
 一般的には、三方(さんぽう)と呼ばれる、折敷に台がついたお供え用の器に白い奉書紙、または四方紅(しほうべに)という四方が紅く彩られた和紙を敷き、紙垂(しで)、裏白(うらじろ)、譲り葉(ゆずりは)の上に鏡餅をのせ、昆布(こんぶ)、橙(だいだい)などを飾ります。
地方や家によって飾り方もいろいろあり、串柿、勝栗、五万米、黒豆、するめ、伊勢海老などの縁起ものを盛るところもあります。

鏡餅と一緒にお供えするものにも、それぞれ正月にふさわしい意味があります。思いを込めてお供えしましょう。

 

・裏白
シダの一種で、表面は緑色で裏面が白い。後ろ暗いところがない清廉潔白の心を表す。

また、葉の模様が対になっているので、夫婦仲むつまじく白髪になるまでの長寿を願う。

 

・譲り葉
新しい葉が出てから古い葉が落ちるので、家督を子孫に譲り、家系が続くことを表す。

 

・昆布
よろこぶの意。古くは昆布の事を「広布」(ひろめ)と言い、喜びが広がる縁起もの。
さらに蝦夷(えぞ)で取れるので夷子布(えびすめ)と呼ばれ、七福神の恵比寿に掛けて福が授かる意味合いもある。また、「子生」(こぶ)と書いて子宝に恵まれるよう願う。

 

・橙
「代々」とも書く。果実は冬に熟しても落ちにくいため数年残ることがあり、1本の木に何代もの実がなることから、長寿の家族に見立てて家族繁栄、代々家が続くことを表す。

 

・串柿
干し柿を串に刺したもの。柿は「嘉来」に通じる縁起もの。干し柿は「見向きもされない渋柿でも、修練の末には床の間の飾りにもなる」という高い精神性を表す。
串に刺した串柿は三種の神器の剣を表し、「鏡=鏡餅、玉=橙、剣=串柿」で三種の神器を表しているとも言われる。

 


■鏡餅はどこに飾る?
年神様は鏡餅をお供えした場所に依りついてくださいますので、鏡餅は1つに限らず、複数お供えしてもかまいません。

 

まずメインの鏡餅を床の間へ、小さめのものを神棚や仏壇にお供えします。
床の間がない場合には、リビングのように家族が集まる場所に飾ります。テレビの上のような騒がしい場所や、見下すような低い場所ではなく、リビングボードの上などにきちんとお供えします。
供える方角は、その年の恵方、または南向き、または東向きがよいといわれています。
そのほかにも、台所、書斎、子ども部屋など、年神様に来ていただきたい大事な場所にお供えします。

 


■鏡餅を飾るタイミングは?
昔は、多くの家で餅つきをしましたが、29日につくのを苦餅(苦持ち)、二重苦に通じるとして、また12月31日につくのを一夜餅といって嫌いました。
鏡餅を飾る日も、12月29日と31日を避けます。31日は葬儀と同じ一夜飾りに通じて縁起が悪いからです。従って、12月28日までに飾るか、遅くとも30日に飾りつけます。

そして、1月11日の鏡開きで、お供えしていた鏡餅をさげて食べます。松の内が15日までという地域では、15日に鏡開きをする場合もあります。鏡餅は、供えたものを食べることに意義があるので、雑煮やおしるこなどにして必ず食べることが大切です。

 


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