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季節の行事

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2018年12月27日

大晦日

12月31日は大晦日。月末最後の日を晦日(つごもり)ともいうので「大つごもり」ともいいます。
元旦には「年神様(としがみさま)という新年の神様が、1年の幸福をもたらすために各家庭にやってくるので、年末最後の大晦日は、年神様を寝ないで待つ日とされていました。また、1日の境を日没の時としていたころは、大晦日の日暮れとともに新年になりました。
大晦日の夜、神社では境内で大祓えを行って罪やケガレを清め、寺院では除夜の鐘を鳴らします。


■年籠り(としごもり)
年神様は初日の出とともにやってくるという説もあるため、大晦日の夜に寝ないで「年神様」を待つことを年籠りといいます。
うっかり寝てしまうと、「シワや白髪が増える」などという恐ろしい言い伝えもあります。どうしても眠くなったら「寝る」ではなく「稲積む(いねつむ)というと、魔力から逃れられるといいます。


■年男
その年の干支にあたる男性を「年男」と呼びますが、もともとはお正月の行事を取り仕切る人のことを「年男」と呼びました。昔は家長が「年男」を務め、 暮れの大掃除、お正月の飾りつけ、年神様への供え物、おせち料理を作るなど、お正月全般を取り仕切っていました。
このように、「年男」として大変忙しい役目を家長が担っていましたが、次第に長男や奉公人など、若い人が務めるようになりました。いまでは、お母さんが大活躍ですね。


■年越しの祓
神社では、6月末日と12月末日に大祓の行事が行われます。 6月の大祓を「夏越しの祓(なごしのはらえ)、12月の大祓を「年越しの祓」といい ます。 それぞれ、半年分のケガレを落とす行事で、白紙で作った人形(ひとがた)で身体の穢れを祓い、川や海へ流したり、かがり火を焚いたりして、健康と厄除けを祈願します。


■除夜の鐘
寺院では、大晦日の夜、108回鐘をつきます。怒りや嫉妬など人間にある108の煩悩を鐘の音で絶つためといわれています。中国で宋の時代から始まったもので、暦に関する数字を足し合わせた数が百八になるためという説もあります。一般的には、107回は旧年の内につき、残りの1回は新年につきます。


■年越しそば
1年の締めくくりに、そばのように細く長く長寿であるように願って「年越しそば」を食べます。
年越しそばを食べるのは、月末にそばを食べる「みそかそば(晦日蕎麦/三十日蕎麦)」という風習が大晦日だけに残ったもので、江戸時代の町人の間で始まったといわれています。また、年越しそばにはさまざまな呼び名と言い伝えがあります。

お蕎麦.png

【寿命そば】そばのように長くのびる(長生きできる)。
【運気そば】鎌倉時代、博多の承天寺が町人にそばを振舞ったところ、翌年からみんなの運気が上がった。
【福そば】金銀細工師が散らかった金粉を集めるのにそば粉を練った団子を使うので、そばは金を集める縁起物。
【縁切りそば】そばがよく切れるように、1年の労苦を忘れられる。

そばに付き物のねぎは「ねぐ」といって「祈る」「労う」という意味もありますから、ぜひ入れてくださいね。


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