日々の便り

2015年08月31日

災害への警戒を促す「二百十日」と「防災の日」

9月の和風月名では「長月(ながつき)」。新暦の10月から11月の上旬にあたり、夜がだんだんと長くなる「夜長月(よながづき)」が略されて「長月」となったといわれていますが、秋雨が多く降る時季なので「長雨月(ながめつき)」、稲穂が伸びて実るので「穂長月(ほながづき)」とする説や、「稲熟月(いねあがりづき)」がなまったという説もあります。

pixta_13344621_S台風を予感させる空.jpg

そして、9月1日は「防災の日」でもあります。「防災の日」は1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんで1960年(昭和35年)に制定されました。犠牲者の慰霊とともに、災害に備えて避難訓練や防災用品の点検などを促す日でもあります。

また、この時期は昔から台風などが多く発生するので、昔の人は立春から数えて210日目を「二百十日」、220日目を「二百二十日」といって警戒してきました。今年は9月1日が「二百十日」にあたり、まさにダブルで防災について気持ちを引き締める日といえます。

「二百十日」「二百二十日」はともに雑節です。雑節とは日本人の生活文化から生まれた日本独自のもので、主に農作業と照らし合わせた季節の目安となっており、日本の気候風土に合わせてあるため、長い間に培われてきた知恵と経験の集約といえます。

秋の収穫を目前にして農作物に被害を与える台風の襲来は農家にとっては大打撃。また、嵐の海は漁師にとっても生死にもかかわる大問題。油断のならないこの日を、過去の経験から厄日として戒めるようになり、旧暦8月1日の「八朔」(新暦では9月中旬ごろ)も含めて農家の三大厄日といわれてきました。

現在は台風だけでなく、地震や火山の噴火など、予想のつかない災害のリスクが高まっています。「二百十日」「防災の日」をきっかけに、非常持ち出し袋の点検や、家族との連絡方法、避難所、避難経路、家族との待ち合わせ場所など、ぜひ確認しておきましょう。

【季節のめぐりと暦】和風月名
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/wafuugetumei/
【季節のめぐりと暦】雑節/二百十日と二百二十日
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/nihyakunichi/index.html
【季節の行事】八朔
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_natsu/2015-082710.html

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