日々の便り

2016年05月09日

七十二候「蚯蚓出」。土作りの味方、ミミズの謎

5月10日から七十二候では「蚯蚓出(みみずいずる)」。冬眠していたミミズが地上に出てくる頃です。ミミズは、動き始めるのが少し遅めのようです。
畑や花壇の土を掘るとミミズに出くわすことがあり、一瞬「うわっ!」となってしまいますが、ミミズは土作りの大切な役割を担っています。

ミミズは土を食べ、その中に含まれる有機物や微生物などを栄養源としています。1日にミミズが食べる土の量は自分の体重と同じくらい。栄養分を吸収された後の土は、糞のかたまりとして排泄されます。 粒上に排泄された糞は土作りに有効な成分を含んでおり、土壌改良に一役買っています。

また、土の中ではい回って畑土をほぐし、鍬で耕すような役目を果たしてくれますので、ミミズが多い畑の土はふんわりとやわらかく、空気や養分をたっぷり含んだ良い土となるのです。

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ところで、雨が降った翌日などに、ミミズが地表に出てきて干からびていることがありますが、なぜでしょうか。
昔は、地面が雨で覆われて、土中が酸素不足になって地表に出てくるといわれていましたが、その後の研究で、ミミズが這い出す原因は炭酸ガスにあるという説が出てきました。土中の炭酸ガスの濃度が上がり、地表へ這い出したミミズが紫外線の有害作用で動けなくなって死亡するというものです。
土中の炭酸ガス濃度が上がる原因については、雨で地表が覆われると、土の中の腐敗したものから出る炭酸ガスがたまるからといわれていますが、まだまだ、ミミズの生態にはわかっていないことが多いのだそうです。

【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/

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