日々の便り

2016年10月27日

七十二候「霎時施」。人気を呼ぶ「ハロウィン」の本当の意味

10月28日からは七十二候の「霎時施(こさめときどきふる)」。しとしとと降り続くのではなく、時折、冷たい小雨がぱらぱらと降る頃です。「霎」をしぐれと読むこともあります。ひと雨ごとに気温が下がり、冬の足音が近づいてきますね。

10月になると(早くは9月中に)、ディスプレイがハロウィン仕様になっているお店が増えてきました。ハロウィン用のグッズを売る店も増えて、仮装用の衣装や小物の種類もたくさん並んでいます。年々ハロウィンパーティーやイベントが盛んになっていますが、そもそもハロウィンとは何なのでしょう?

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ハロウィン(10月31日)は、古代ケルトを起源とする、秋の収穫を祝い、悪霊を追い出す行事です。キリスト教の「万聖節」(11月1日)の前夜祭で、「All Hallow Eve」が訛ってハロウィン(Halloween)になりました。

現代のキリスト教会では、ハロウィンの習俗をどう解釈するか賛否、諸説ありますが、アメリカでは本来の祝祭の意味合いをよそに民間行事として定着しており、近年、日本でも子どもたちを楽しませる行事として広まりつつあります。
おばけや悪魔の仮装をした子どもたちが「Trick or Treat!」(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ!)といって家々を回り、家の人は「Happy Halloween!」といってお菓子を渡します。本来は、お菓子によって霊を鎮める、悪霊を追い払う、神様がお菓子を食べてくれるなどの意味があるそうです。

かぼちゃをくり抜いたジャック・オー・ランタン(Jack-o'-lantern)は、かわいらしい飾りとして人気がありますが、本来は亡くなった人の霊を迎え、悪霊を遠ざけるために玄関や窓辺に灯すものです。
すでに日本の行事として定着したクリスマスのように、ハロウィンも定着しつつありますが、本来の意味は、日本の大晦日の行事や、節分の行事、お盆の行事にも似ているところがあって、文化のおもしろさを感じます。

【季節のめぐりと暦】七十二候
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【暮らしを彩る年中行事】お正月
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【暮らしの中の歳時記】迎え盆と精霊送り
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