日々の便り

2017年10月27日

七十二候「霎時施」。天平の美を間近に見る「正倉院展」

10月28日からは七十二候の「霎時施(こさめときどきふる)」。しとしとと降り続くのではなく、時折、冷たい小雨がぱらぱらと降る頃です。「霎」をしぐれと読むこともあります。ひと雨ごとに気温が下がり、冬の足音が近づいてきます。

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さて、10月28日から11月13日までの17日間、奈良国立博物館では「第69回正倉院展」が開催されます。東大寺の正倉院は、8世紀の中頃、光明皇后が聖武天皇の遺愛品を東大寺盧遮那仏(大仏)に奉献したのが始まりで、東大寺の寺宝や文書類なども加わり、約 9000点が収納されています。正倉院は、シルクロードの終着点ともいわれ、大陸から伝わった宝物や日本文化の源泉ともなった宝物が納められている大変貴重な宝庫です。1000年以上もの間、厳重に保管されてきた宝物は通常、一般公開されませんが、毎年、秋の数日だけ見ることができます。それが「正倉院展」です。

古来、高温多湿の日本で文物を長く保存するために「曝涼(ばくりょう)」と呼ばれる虫干しが行われていました。空調設備の整った新宝庫に移された現在は、虫干しというより宝物の点検や整理などが主な作業ですが、その期間を使って毎年秋に「正倉院展」が開催されます。シルクロードによって運ばれた技術や文化などを背景に、希少な宝物が多数展示されるので、ぜひ訪れてみたい展覧会です。

【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしの中の歳時記】正倉院展
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_aki/2018-102410.html

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