日々の便り

2018年09月22日

秋の彼岸に怪しく咲く「彼岸花」は「葉見ず花見ず」

9月23日は二十四節気の「秋分」。昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境に日が短くなり、秋の夜長に向かいます。読書の秋や芸術の秋、音楽の秋など、趣味に没頭するのに良いシーズンですね。
秋分の日は、雑節の「彼岸」の中日でもあり「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」として国民の祝日になっています。秋の彼岸は、春の彼岸に対して「後の彼岸」「秋彼岸」とも呼ばれます。

そして、七十二候では「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」になります。雷が鳴らなくなる頃という意味で、春分に始まり夏の間鳴り響いた雷も、鳴りをひそめます。
また、2018年9月23日は秋分に最も近い戊(つちのえ)の日にあたり、雑節のひとつ、秋の「社日」になります。秋の社日には、初穂を供えて収穫に感謝する習わしがあり、各地でその土地の神様に収穫を感謝する行事が行われます。

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さて、秋の彼岸の頃に咲く花といえば「彼岸花」。別名は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」で、サンスクリット語で「天界に咲く花」を意味します。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典からついた名前です。

葉のない茎の先に花が付く彼岸花は、普通の植物とはかなり違う成長をします。秋の彼岸の頃、いきなり茎が伸びて花を咲かせ、そして一週間ほどして花が終り茎も枯れてしまうと、今度は葉が伸びてきて緑のまま冬越しをします。春に球根に栄養をため、夏が近づくと葉は枯れて休眠期に入り、やがて彼岸の頃にまた一気に花を咲かせます。
つまり、花のあるときに葉はなく、葉のあるときに花はない、そんな不思議な植物なのです。このような特徴から、「葉見ず花見ず(はみずはなみず)」と呼ばれています。

【季節のめぐりと暦】二十四節気
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/
【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【季節のめぐりと暦】雑節/彼岸
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/higan/
【暮らしの作法】お墓参りの作法
https://www.i-nekko.jp/saho/omairi/saho/
【食の歳時記・旬の味】おはぎ・ぼたもち
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