日々の便り

2019年03月05日

二十四節気「啓蟄」。春の訪れを告げる「菰はずし」と山菜

3月6日は二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」。七十二候でも「蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)」に入ります。大地が温かくなり、冬ごもりから目覚めた虫が穴を開いて顔を出す頃という意味です。「啓」はひらく、「蟄」は土の中にとじこもっていた虫だけでなく、蛙や蛇なども表します。また、冬の間は鳴らなかった雷が鳴り始めることもあり、この初雷を「蟄雷(ちつらい)」「虫出しの雷」などともいいます。

啓蟄に「菰(こも)はずし」を行うところもあります。冬の間、松などの幹に巻かれた菰(こも:藁で編んだ敷物)を外し、この中で越冬したマツクイムシなどの害虫を駆除するという昔ながらの風物詩ですが、実は害虫より害虫の天敵となる益虫のクモなどが多くいて、害虫駆除としては逆効果であるということがわかってきました。外した菰は、益虫たちを逃がしてから処分するようにしたり、菰巻きを中止したりするところも増えてきたようです。

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土の中から顔を出すのは虫ばかりではありません。土筆(つくし)が顔を出し、ゼンマイなどの山菜も採れ始める頃。春の山菜には独特の苦味がありますが、実は、この苦味やえぐみが、冬の間に縮こまっていたからだに刺激を与えて、からだを目覚めさせてくれるといわれています。スーパーマーケットなどでも、さまざまな山菜が手に入るようになりました。ほろ苦い味がなんともいえない、この時季だけの旬の味覚!山菜をおいしく食べるコツをご紹介していますので、ご活用ください。
⇒【四季と行事食】山菜
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【食の歳時記・旬の味】蕗の薹
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【季節のめぐりと暦】二十四節気
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