日々の便り

2021年02月28日

もうすぐひな祭り。親心あふれる「つるしびな」の由来

3月の和風月名は「弥生(やよい)」。暖かな陽気になり草木がいよいよ茂るという意味の「弥生(いやおい)」がつまって「弥生(やよい)」になったとか。
「弥(いや)」は「いよいよ」「ますます」などの意味で、「生(おい)」は、「生い茂る」というように草木が芽吹くことを表しています。
さらに、旧暦の3月は桜が咲くころなので「花見月(はなみづき)」、「桜月(さくらづき)」、「花月(かげつ)」などの別称もあります。うららかな日も増え、桜の便りも待ち遠しいですね。

さて、もうすぐひな祭り。本来は「上巳(じょうし)の節供」といいますが、ひな人形を飾って、女の子の健やかな成長を願う行事として親しまれています。

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親王飾りや段飾りなどが一般的ですが、「つるしびな」というかわいいひな飾りもあります。
布で小さいお人形や細工物をたくさん作り、糸でつないでつるして飾るというもので、江戸時代から始まったといわれています。
ひな人形が流行り、富裕層のためにどんどん豪華なひな人形が作られる一方、庶民には高価なひな人形はそうそう買えるものではありませんでした。それでも生まれてきた子どもの幸せを願う気持ちはみな同じです。お母さんやおばあちゃんが小さな人形を作り、つるして飾ったのが始まりだそうです。

つるしびなには、生活用具から食べ物、花や動物など、さまざまな細工物がありますが、子どもが衣食住に困らないよう、そのひとつひとつに意味や願いが込められています。
最近は、つるしびなが人気を呼び、季節のしつらいに取り入れる方も増えています。見かけたら、その由来に思いを馳せてみてくださいね。
つるしびなの手作りキットも販売されています。今年のひな祭りには間に合わないかもしれませんが、作る楽しみを味わうのも良いですね。

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【季節のめぐりと暦】和風月名
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