日々の便り

2021年08月15日

知っておきたいお盆の風習。送り火の行事は今年も縮小

お盆は、先祖の霊を迎える行事。昔、亡くなった人は7月の15日に帰ってくるとされていました。新暦では8月の半ばにあたるため、昔の季節感そのままにできるよう、月遅れの8月15日を盆中日としてお盆の行事を行うところがほとんどです。

お盆休みには帰省したり、行楽に出かけたりというのが2年前までの日本の夏でした。
お盆に帰省するのは、昔の「藪入り(やぶいり)」の名残で、長く続いてきた風習です。
藪入りは、住み込みの奉公人や嫁いできた嫁が実家へ帰ることができる休日のことです。昔は奉公人に定休日などなく、嫁も実家に帰ることはままならなかったため、お正月の1月16日とお盆の7月16日の藪入りだけが、大手を振って家に帰ったり、遊びに出かけたりできる日だったのです。戦後、労働スタイルが変化し、日曜日などの定休日ができると藪入りはなくなりましたが、藪入りの伝統は正月休み・盆休みの帰省として残っています。


残念ながら、今年のお盆は帰省を含めて外出などを極力しないで過ごすことが求められています。家族の絆を深めるには、インターネットで顔を見ながら話もできるアプリやソフトを利用するというのもありですね。

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そして、盆中日が過ぎれば送り盆、精霊送りです。送り火を焚いて、先祖の霊をお送りします。迎え火のときと同じ要領でオガラを燃やし、今度は内から外へと送り火をまたぎます。
地域によっては海や川に送り火を流して精霊送りを行います。精霊舟やたくさんの灯篭を流して精霊を送るとともに、病気や災いも一緒に流すという意味があります。

夏の風物詩は今年も我慢の日々が続きます。新型コロナウイルス感染予防のため、精霊流しや送り火も行事内容が変更されていたり、中止されたりしているところがありますので、ご注意ください。


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