日々の便り

2021年10月01日

出雲に神々が集まる「神無月」。和服は袷(あわせ)に衣替え

10月の和風月名は「神無月」。神を祀る月であることから「神の月」とする説が有力とされていて、「無」は「水無月」と同じように、「の」という意味をあらわす「な」にあたるといわれています。
また、全国の神様が出雲大社に集まり、諸国に神様がいなくなることから「神無月」になったという説も有名です。神々が集まる出雲の地では、旧暦10月を「神在月(かみありづき)」と呼んでいます。
他にも、神嘗祭をする月という意味の「神嘗月(かんなめつき)」を語源とする説、夏の荒天がひいて雷が鳴らなくなる「雷無月(かみなしつき)」、新酒を醸成する(かもなす)頃という「醸成月(かもなんづき)」などが転じたという説もあります。

ところで、神々が出雲大社に集まるのは、出雲大社の祭神、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が全国各地の神々を呼び寄せて、来年の重要事項について会議をするためといわれています。テーマは来年の天候や農作物の収穫、そして「縁結び」について話し合います。そのため、出雲大社は縁結びの総本山なのです。来年はどんなご縁が結ばれていくのでしょうか。それはまさに神のみぞ知るということですね。

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さて、10月は「衣替え」の季節。衣替えの風習は、平安時代頃に中国から日本に伝わり、室町時代から江戸時代にかけて、四季に合わせて式服を替える習慣が定着しました。明治維新で新暦が採用されると、夏服は6月1日~9月30日、冬服が10月1日~5月31日となり、6月、10月は衣替えの季節となりました。現在もこれが衣替えの目処ですが、最近では衣替えを一斉にやらない企業や学校も増えています。

和服では、この衣替えのしきたりが今も重要視されています。着物には袷(あわせ)、単衣(ひとえ)、薄物(うすもの)などがあり、着る時期が決められています。ただ近年は、5月にはもう夏のような暑さになることも多く、早めに単衣にする人も増えているようです。

また、着物の場合、四季折々にふさわしい柄があり、季節感を大切にしています。しかも実際の季節より一足早く身に着けるのが粋、いつまでも着ているのは野暮とされています。どうせ着るなら粋に着こなしたいもの。詳しくはこちらをご覧ください。

【暮らしの中の歳時記】着物と季節

【季節のめぐりと暦】和風月名
【季節のめぐりと暦】神無月の由来
【暮らしの作法】衣替え
【暮らしの中の歳時記】着物と季節


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