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2015年06月12日

梅干し

梅は、「花よし、香りよし、果実よし」と三拍子揃った花木。早春にいち早く花開き、馥郁(ふくいく)とした香りを放ち、昔から人々に愛でられてきました。そして、梅の実も様々に加工され、盛んに利用されてきました。「梅干し」はその代表的な利用といえます。


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■梅干しの起源

梅は中国が原産といわれています。中国の古書「斉民要術」には「鳥梅(うばい=中国語ではウメイ)」、「白梅(=梅干し)」、「蜜梅(=蜜漬けの梅)」などの梅の実の加工法が記されており、日本には奈良時代の遣唐使により、漢方薬として「烏梅」が伝来しました。「鳥梅」は、未熟な梅の実を燻製にしたもので、色は真っ黒。鎮痛、解毒、健胃、整腸などの薬として重宝されました。
梅の語源は、この「鳥梅」から「ウメ」と呼ばれるようになったという説の他、「熟む実」から「ウメ」となったなど諸説あるようです。

日本に現存する最古の医学書である平安中期の「医心方(いしんぼう)」で、「梅干し」の効用が取り上げられています。鎌倉時代以降、実の多くは梅干しとして食用にされ、戦国時代は薬効のある携帯食としても重宝したようです。江戸時代には、庶民の食卓にも登場するようになり、大晦日や正月、節分には、梅干しにお茶を注いだ「福茶」として、正月には当時のおせち料理である「喰積(くいつみ)」にも祝儀ものとして用いられました。



■梅の効用

昔から「梅は三毒を断ち、その日の難を逃れる」といい、朝夕に梅干しを1個食べれば健康を保てるといわれてきました。「梅干し」と聞いただけで口の中に唾液が溜まってきますね。梅干しは唾液の分泌を促し、食欲を増進させてくれます。

梅の酸っぱさの素は豊富に含まれるクエン酸。このクエン酸には疲労回復やカルシウムの吸収を助ける働きもあります。
また、おにぎりやお弁当に、抗菌作用のある梅干しを入れると傷みにくくなります。

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さらに、梅干しを加熱すると、「ムメフラール」という成分が発生し、これが、血液をサラサラにして、からだを活性化するといわれています。
この他、新たな研究結果として、ピロリ菌を抑制する成分や、血糖値の上昇を抑える成分が含まれていることもわかってきたそうです。



■梅干し(白梅干し)の作り方
わが家の梅干し作りに挑戦してみませんか?
少量から挑戦できる袋漬けの方法をご紹介します。

Fotolia_34333932_XS梅(白).jpg


【材料】
(氷砂糖を使う減塩タイプの梅干しです)
黄梅(完熟したもの)・・・1㎏
氷砂糖・・・100g
塩・・・130g
焼酎(アルコール度数35度以上のもの)・・・1/4カップ

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【準備するもの】

チャック付き袋(大)、重石(1~1.5㎏)竹串、盆ザル、保存瓶


【作り方】

①梅を流水で洗い、ザルにあげて水気をきる。
②へた(なり口)を竹串で取り、水気をしっかり拭き取る。
③ボウルに梅、焼酎、塩、氷砂糖(半量)を入れて、全体にからめる。
④チャック付き袋に移し、平にして空気を抜き、口を閉じて重石をして冷暗所に置く。
⑤2~3日で白梅酢が出てくるので、残りの氷砂糖を加える。
⑥白梅酢が梅にかぶるぐらい上がったら、重石を半分にして7月下旬から8月上旬くらいまで保存する。
⑦土用(7月下旬~8月上旬)の頃、晴天が続くときを選んで、梅を盆ザルに並べ、3日間干す。
※3日間で3~4回梅を返して全体を干すようにする。日中は日に当て、夜は家の中へしまう。3日目は、夜も外に出して夜露に当てる。
⑧干し上がった梅は保存瓶に移し、保存する。

※道具はよく洗って熱湯消毒し、乾かしてから使います。
※白梅酢は、赤梅干しにするときに使います。また、調味料としても使えるので、捨てないで保存しましょう。


【赤梅干しにする場合】

保存瓶に、もみしそ(200g程度)と白梅干しを交互に入れ、白梅酢をひたひたになるまで注ぎ、2週間ほど置くと赤梅干しができます。

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※参考文献「わが家の手作り保存食」(パルシステム生活協同組合連合会)



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