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2017年10月06日

金木犀(きんもくせい)

10月の寒露の頃、近くを通るとふいに香ってくる甘い香りで「あ、金木犀が咲いているな」と気がつくことがあります。金木犀は、その姿より先に香りで気づかれるほどの豊かな芳香が特徴です。

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■三香木(さんこうぼく)のひとつ、金木犀
金木犀はモクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹で、9月下旬から10月上旬に小さなオレンジ色の花をたくさん咲かせます。高さは3~6mに育ち、刈り込んで垣根にもできるので、庭先や公園などでもよく見かけます。
特徴は何といってもその香りで、梔子(くちなし)、沈丁花(じんちょうげ)とともに「三香木(さんこうぼく)」と呼ばれています。沈丁花は、2月~4月に小さな花のかたまりを枝先につけ、梔子は、6月~7月頃に肉厚の白い花を咲かせ、冬には黄赤の実をつけます。
金木犀と沈丁花の香りはよく似ていますが、春先に香るのは沈丁花、秋の訪れとともに香るのは金木犀です。
「香木(こうぼく)」というのはまた別物で、木自体が香る白檀(びゃくだん)や沈香(じんこう)のことをいいます。

■金木犀の香りでリラックス
金木犀の花ことばは、「謙虚、謙遜」「真実、真実の愛」「初恋」「陶酔」。
その香りのすばらしさに比べて、花が控えめなところから「謙虚、謙遜」。また、金木犀の香りは甘くて官能的なところから「陶酔」という花ことばもぴったりです。一度嗅ぐと忘れられないような芳香は「真実の愛」「初恋」にも通じるものかもしれませんね。
金木犀の香りはリラックス効果が高く、不安感やイライラを鎮めてくれるそうです。
金木犀の香りは、合成されてトイレ用消臭剤にも使われたので、そのイメージが強いのが少し残念ですが、本物の花の香りはやさしく心が落ち着きます。

■中国では桂花
金木犀は中国原産で、中国ではモクセイの花を「桂花(けいか)」と呼びます。原産地として地名の由来にまでなっている「桂林」の桂花樹は有名です。奇岩がそそり立ち水墨画のような風景で知られる漓江(りこう)のまわりにもたくさん植えられています。
桂花には、丹桂、金桂、銀桂、四季桂があり、丹桂と金桂が日本の金木犀にあたるといわれています。銀桂は銀木犀のことで、17世紀に日本に伝わったといわれていますが、金木犀の来歴ははっきりしていません。四季桂は四季咲きの園芸品種です。

■金木犀の不思議
・金木犀の「二度咲き」
金木犀は一度咲いたあと、再び蕾が出て開花し「二度咲き」することがあります。原因ははっきりしていないようですが、開花時期の気候によって、開花のピークが2度訪れることがあるようです。

・金木犀には実がつかない
金木犀は、花は咲くものの実がなりません。金木犀には雄株と雌株があり、日本に伝えられたのが金木犀の雄株ばかりだったためといわれています。

・金木犀の名前の由来
金木犀の由来は、樹皮が動物のサイ(犀)の皮に似ていて、金色の花を咲かせるからといわれています。いつ頃から木犀と呼ばれたのかはわかりませんが、その当時サイをどこでみたのかなぁと不思議な気持ちになります。

■金木犀を味わう
中国では、桂花を食べ物や飲み物にも利用しています。日本でも購入できるので、機会があったら試してみたいですね。

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・桂花醤
金木犀の花を砂糖で煮たもの。甘い香りを利用して、お菓子や点心作りに使われます。

・桂花茶
緑茶をベースに、金木犀の花の香りを移したお茶が「桂花茶」で、桂花樹の産地、桂林の特産品でもあります。また、お茶に混ぜられて香りつけされたものだけではなく、花のままでも売られています。烏龍茶に少し加えるだけで香りの良いお茶になります。

・桂花陳酒
金木犀の花を白ワインに漬けこみ、熟成させたお酒です。甘く芳醇な味わいが特徴で、楊貴妃が好んで飲んだと伝えられています。

・糖桂花
糖桂花とは金木犀の花のシロップ漬け。れんこんの穴にもち米を入れて蒸したものを糖桂花で煮込んだり、かけたりしたお菓子が「桂花糖藕(けいかとうれんこん)」です。かなり甘そうですが、おめでたい料理のひとつです。

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