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2017年10月26日

正倉院展

奈良・東大寺正倉院は、シルクロードの終着点ともいわれ、大陸から伝わった宝物や日本文化の源泉ともなった宝物が納められている大変貴重な宝庫です。1000年以上もの間、厳重に保管されてきた宝物は通常、一般公開されませんが、毎年、秋の数日だけ見ることができます。それが「正倉院展」です。

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■奈良・東大寺正倉院の起源

正倉院といえば、奈良・東大寺の正倉院を思い浮かべますが、もともとは奈良時代・平安時代の都や各地方の官庁や大寺に設けられた重要物品を納める建物を「正倉」といいました。その正倉が集まっているところを正倉院と呼んだのです。しかし、歳月の経過とともに各地にあった正倉は失われ、今では東大寺正倉院内の正倉一棟だけが残っています。
東大寺の正倉院は、8世紀の中頃、光明皇后が聖武天皇の遺愛品を盧遮那仏(大仏)に奉献し、これを正倉に収蔵したのが始まりです。その他、東大寺の寺宝や文書類なども加わり、約 9000点が収納されています。


■正倉院は唯一の勅封倉(ちょくふうそう)

正倉の作りは木造高床で北・中・南の3倉に分れており、北・南の2倉は校倉造 (あぜくらづくり) 、中倉は板倉になっています。北倉には、光明皇太后奉献の宝物が納められ、北倉の開閉や宝物の出蔵については、天皇の勅旨または勅許を必要としました。そのため北倉は古来「勅封倉」と呼ばれています。中倉・南倉には東大寺に伝来した品々が納められ、特に重要な宝物を保管した中倉は平安時代に勅封倉となり、南倉は明治期に勅封倉となりました。現在は、毎年秋季の宝庫開閉に勅使(現在は侍従)立会いのもと、天皇自署の封紙を解き、開扉されます。

正倉は、1997年に国宝に指定され、翌年には古都奈良の文化財の一部として世界遺産に登録されました。なお、正倉院の宝物は皇室財産とされ、国宝や重要文化財には指定されていません。

正倉の建物は、奈良時代創建以来、幾多の修繕を重ねられながらもほぼ原形のままで保存されていますが、収蔵品は 一部を除き、1962年に堅牢で空調設備の整った西宝庫と東宝庫に移されました。西宝庫には、修理や整理が済んだ宝物が収納され、東宝庫は、現在修理・修復中や未修復の宝物が収納されています。
※正倉院の宝物は、宮内庁正倉院のHPから、分類別に写真と解説が閲覧可能です。
http://shosoin.kunaicho.go.jp/


■文物の虫干し「曝涼(ばくりょう)」と「正倉院展」

正倉院では、毎年、または数年に一度「曝涼」を行ってきました。「曝涼」とは、風通しをして、虫干しをすることで、多湿の日本では宝物や文物の保存のために重要な作業でした。晩秋の曝涼のときには天皇の勅使がやって来て扉を開き、宝物の虫干しや点検、宝庫の修理などが行われていました。
しかし、空気調和装置を施した新宝庫に収納された後は、曝涼の必要はなくなり、その名称も「秋期定例開封」と改められました。この期間中に宝物の点検をはじめ、宝物の特別調査や防虫剤の入れ替えなどが行われ、唯一の一般公開として「正倉院展」が毎年10月下旬から11月上旬にかけて奈良国立博物館で開催され、古都の秋の風物詩となっています。
なお、正倉院自体は外構が公開されています。


■第69回正倉院展

第69回正倉院展が2017年10月28日(土)~11月13日(月)まで、奈良国立博物館で開催されます
今回は、北倉10件、中倉25件、南倉20件、聖語蔵3件の、合わせて58件の宝物が出陳されます。初出陳を含むものは10件です。
見どころとしては、樹木の下にたたずむ羊を描き、記念切手にも採用された、ペルシャ美術に由来する、ろうけつ染めの「羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)」が10年ぶりに展示されます。アッシリアに起源を持ち、中世以降に姿を消したとされる、たて琴「箜篌(くご)」などの楽器も公開されるそうです。シルクロードを旅して様々な文物や文化が日本にもたらされたことを目の当たりにできる展覧会ですね。開催について詳しくは奈良国立博物館HPをご覧ください。
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2017toku/shosoin/2017shosoin_index.html

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