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2018年09月26日

秋桜(コスモス)

秋空の下、色とりどりに咲くコスモスの花。秋に咲き、桜の花に似ていることから、和名は「秋桜(あきざくら)」と書きます。大ヒットした歌謡曲のタイトルから「秋桜」と書いてコスモスと読むようになったとか。原産地はメキシコの高原地帯で明治初期に持ちこまれた外来種ですが、秋の季語になるほど広く親しまれています。開花のピークとなる9月から10月頃にかけて、各地でコスモス祭りも開催されます。

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■可憐で強いコスモス

コスモスは、メキシコの高原地帯が原産のキク科コスモス属の一年草です。コスモスという名前は、「秩序」「美しい」という意味で宇宙をさすギリシャ語の「Kosmos/Cosmos」に由来します。花びらが整然と並ぶ美しい形からそう呼ばれるようになりました。
花ことばは、その姿かたちに相応しく「乙女の真心」「乙女の愛情」。花の色によって意味が加わり、ピンクは「乙女の純潔」、白は「美麗」「失われた愛」、赤は「調和」です。
細い茎がゆらゆらとして一見弱そうに見えますが、実はとても生命力が強い花。日当たりや風通し、水はけが良ければ土質を選ばないので、育てやすく日本各地で群生地が見られます。


■色とりどりのコスモス

日本でポピュラーなコスモスは、コスモス・ビピンナツス(Cosmos bipinnatus)という種類で、秋が開花期。和名の「秋桜」もしっくりときます。しかし、近年は早生品種が増え、開花期は6月~11月と長くなりました。花の色も、ピンクや白に加えて濃赤、黄やオレンジ色、チョコレート色などが登場して、とてもカラフルです。どんな種類があるのでしょうか。

・センセーション
コスモスの中でも代表的な品種。濃紅色、桃色、白色の花径10cmほどの大輪の花を咲かせます。
・キバナコスモス
オレンジ色や濃い黄色の小ぶりな花が特徴。暑さに強く、夏ごろから開花し秋まで長く楽しめます。
・イエローキャンバス
6~7cmの中輪で、白から淡い黄色へのグラデーションになっている可憐な花。黄色いコスモスは、玉川大学農学部が世界で初めて開発した日本生まれのコスモスです。
・シーシェル
花びらが筒状になるおもしろい形で人気。色も赤系、ピンク系、白系などがある早生の品種です。
・チョコレートコスモス
チョコレートコスモスは常緑多年草。その名の通りチョコレート色で一重咲きの花は、チョコレートを思わせる香りがします。高温多湿に弱い原種のチョコレートコスモス(コスモス・アトロサンギネウス)の他、育てやすい交配種が出回っています。ともに種がとれないので、さし芽や球根を分球して株を増やしています。新しい品種は「ノエル・ルージュ」「キャラメルチョコレート」「ショコラ」など、名前もおしゃれでおいしそうです。

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■秋の風物詩、コスモス祭り

色とりどりのコスモスが咲き乱れ、秋風にそよぐ様子は、秋の風物詩のひとつ。各地でコスモス祭りも行われます。ほんの一部ですが、首都圏近郊の名所をご紹介します。

・国営昭和記念公園(東京都立川市)
広大な園内に550万本のコスモスが咲き誇ります。9月中旬から「原っぱ東花畑」のキバナコスモス、10月中旬から「花の丘」のセンセーション、10月下旬から「原っぱ西花畑」のイエローキャンパスなど、コスモスの開花リレーが楽しめます。さらに、コスモス見本園では、希少なチョコレートコスモスも見ることができます。また、コスモスまつり期間中は大人から子どもまで楽しめる様々なイベントが毎日のように行われています。

・よしみコスモスまつり(埼玉県吉見町)
毎年10月の第3土曜日・日曜日に開催されます。「道の駅いちごの里よしみ」の近く、麦を収穫した後の休耕田を利用した広大な農地に約800万本のコスモスが咲き誇ります。目玉の一つは気球体験。空から広大なコスモス畑を一望することができます。その他、コスモス摘み取り、枝豆狩り、農産物加工販売や模擬店など1日楽しく過ごすことができます。

・荒川河川敷コスモスフェスティバル(埼玉県鴻巣市)
首都圏最大級の規模を誇るコスモスの名所で、荒川堤防沿い4.5kmとコスモスアリーナふきあげ周辺の花畑に、およそ1200万本のコスモスが咲き誇ります。10月中旬の開花期には「コスモスフェスティバル」も開催され、毎年多くの人でにぎわいます。

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