虫の声・鈴虫の飼い方

俳句で「虫」と言えば、秋に草むらで鳴く虫たちのことを指す、秋の季語です。吹く風に秋の気配を感じるころ、ちょっとした草むらや、家のまわりでも、小さな音楽家たちの演奏会が始まります。
虫の声が幾重にも重なって賑やかな様子を表す「虫時雨」(むししぐれ)や「虫集く」(むしすだく)、暗闇に虫の声だけが聞こえる「虫の闇」、昼間でも鳴いている「昼の虫」など、「秋」の風情を表す言葉もたくさんあります。
テレビを消して、耳を傾けてみたり、虫を飼って、鳴き声を楽しんでみるのもいいですね。

鈴虫イメージ

虫の鳴き声の聞き分け方

「虫の声」「虫の鳴き声」「虫の音」などといいますが、これはオスたちが求愛のために翅(はね)を摺り合わして鳴らしているもので、まるで素敵な楽器を持っているようです。童謡「虫の声」でも、いろいろな虫の鳴き声が歌われています。
大人になって忘れてしまったかもしれない虫の声のおさらいです。

家の近くで鳴いている虫

【スズムシ】リーンリーン♪
鈴を打ち合わせるように鳴きます。
【エンマコオロギ】リリリリ♪
いかつい顔が閻魔大王に似ています。
【カマドコオロギ】ジリリジリリ♪
あたたかいカマド(台所)で冬を越します。
【カネタタキ】チンチンチン♪
とても小さい虫で、声はすれども姿は見えず・・・。

こおろぎイメージ

林や草むらで鳴いている虫

【マツムシ】チンチロリンチンチロリン♪
「待つ虫」という意味の名前。昔は、今のマツムシをスズムシ、今のスズムシをマツムシと呼んでいました。
【クツワムシ】ガチャガチャ♪
馬の口につけるクツワの音と似た鳴き声からついた名前です。
【キリギリス】チョンギースチョンギース♪
足音が聞こえると鳴きやんでしまいます。
【ウマオイ】スイッチョンスイッチョン♪
馬を追いたてる声に似ているので「馬追い」と命名されました。

キリギリスイメージ

スズムシを飼ってみましょう。

スズムシを自宅で飼って、夜ごと涼しい音色を楽しむなんて素敵だと思いませんか?といっても、スズムシを捕まえてくるのは至難の業。いまはペットショップで購入できます。

スズムシの家

中の様子が見える、プラスチックの飼育箱かガラス瓶にいれ、暗くて涼しい、静かなところに置きます。中には市販の「スズムシマット」か、消毒済の土を敷きましょう。そして、隠れ家になる登り木や木の板を立てます。

スズムシのエサ

野菜はナスやキュウリが大好物。煮干しなどの動物性のエサで栄養をあげましょう。水は霧吹きで毎日やります。

環境

卵を産めるように、オス・メスで飼います。鳴くのはオスです。

スズムシの音色は8~10月頃まで楽しめ、卵を産んでから寿命をまっとうします。大切に飼ってあげたいですね。
なお、京都の「妙徳山 華厳寺」(みょうとくさん けごんじ)は、四季を通してスズムシを飼育し、年中虫の音が聞けるので、「鈴虫寺」と呼ばれています。

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