2020年10月26日

大豆

大豆は、縄文時代に伝来し、古くから親しまれた大切な食料です。豆腐や納豆は毎日の食卓に欠かせません。味噌や醤油も大豆からできていますし、大豆から作られる加工品はたくさんありますね。私たちの身近な食品である大豆製品を今一度見直してみましょう。

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■大豆製品いろいろ

大豆を使った食べものといえば、どんなものが思い浮かびますか?ピックアップしてみました。
・豆腐:豆乳を「にがり」などの凝固剤で固めたもの。固め方によって絹ごし豆腐や木綿豆腐、充填豆腐、寄せ豆腐などの違いができる。さらに、豆腐からは、焼き豆腐、油揚げ、がんもどき、生揚げ、凍り豆腐なども作られる。
・納豆:蒸し煮した大豆を納豆菌で発酵させたもの。
・みそ:蒸し煮した大豆と米や大麦に麹菌などを混ぜて発酵させたもの。
・しょうゆ:大豆や醸造用脱脂加工大豆などを、麹菌を利用して醸造したもの。
・豆乳:大豆を水に浸け、砕いて熱して搾った液体。飲みものや豆腐の原料になる。
・ゆば:豆乳を熱したときに表面にできる皮膜をすくったもの。生ゆばと干しゆばがある。
・おから:豆乳をとった後の搾りかす。卯の花として食用にもなるが、大半は家畜の飼料となる。
・きな粉:煎った大豆を粉にしたもの。和菓子などに使われる。
・煮豆:大豆を煮込んだもの。昆布などの海藻や野菜と炊き合わせるとおいしい。
・煎り豆:煎った大豆。おやつやおつまみになる。節分の豆まきに使われる。
・枝豆:未成熟で青い大豆。塩ゆでにして食べる。
・大豆もやし:よく売っているのは緑豆もやしですが、豆がついたままの大豆もやしはうまみ成分や栄養素が豊富。
・食用油:天ぷら油、サラダ油の主成分。マーガリンの原料にも使われる。

私たちは毎日、何かしらの形で大豆を食べています。大豆は、豆のままで食べるより、煮つぶしたり、発酵させたりするとおいしく食べられるだけでなく、消化吸収も良くなります。大豆は様々な食品に形を変えて、和食文化に大きな影響を与えているといって良いでしょう。

ちなみに、国内の大豆需要量は、年間およそ357万t(平成29年度)で、そのほとんどは輸入大豆です。アメリカが約7割を占め、次いでブラジル、カナダ、中国からなどの輸入に頼っています。平成29年の大豆の自給率は7%ですが、サラダ油などの原料となる油糧用を除いて食品用に限ると、自給率は25%となります。

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■大豆の栄養と健康

「畑の肉」ともいわれる大豆には、タンパク質をはじめ、さまざまな栄養素が詰まっています。
・タンパク質
大豆はタンパク質が豊富なだけでなく、肉などに含まれるタンパク質と比べると低カロリー。しかも、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。また、大豆のタンパク質は消化吸収率も良いことがわかっています。
・カルシウム
豆腐にはカルシウムが豊富。消化吸収も良いので、牛乳など乳製品が苦手な人は、豆腐を意識して食べるのも良いかもしれません。
・機能性成分「大豆イソフラボン」
大豆の機能性成分には、「大豆レシチン」「大豆サポニン」「オリゴ糖」「大豆イソフラボン」などがあります。中でも「大豆イソフラボン」は、女性ホルモン(エストロゲン)と似た構造で植物性エストロゲンともいわれ、更年期の女性の健康をサポートしてくれる成分として注目されています。また、大豆イソフラボンには、血中総コレステロールとLDLコレステロールを低下させる働きがあることもわかっています。


■大切な食料「豆」

人は昔から、大切な食料である農産物が豊作であるように「五穀豊穣」を祈ってきました。「五穀」とは米・麦・あわ・きび・豆の5種類を指すことが多く、豆も大切な穀物とされてきました。祭りのときに供えたり、「まめ(健康、勤勉)に働けるように」とおせち料理にしたり、節分で鬼を追い払うためにまいたりもします。すべて大豆というわけではなく、小豆や黒豆なども使われますが、伝統行事の中でも「豆」がよく使われるのは、人々が食料としての「豆」を大切に考えてきたことの表れでしょう。
今、もし大豆がなかったら...、私たちの食生活は激変してしまいますね。改めて大豆は本当に大切な食糧なのだと実感します。

参考:農林水産省「大豆の豆知識」

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