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2019年09月18日

戻り鰹

刺身やたたきでおいしい鰹。鰹には春と秋の2回、旬があります。4~6月頃に出回るのは「初鰹」、9月頃から出回るのが「戻り鰹」です。戻り鰹は、脂がたっぷりとのっているため「トロ鰹」とも呼ばれています。初鰹と戻り鰹の違い、おいしい食べ方などご紹介します。


■戻り鰹と初鰹の違い

鰹は生きている間泳ぎ続ける回遊魚。群れをつくって黒潮にのり、餌となるイワシを追って南はフィリピン沖から北は三陸沖までの太平洋岸を回遊しています。
春に北上する鰹を「のぼり鰹」と呼び、特に4月から6月頃の出始めの頃の鰹を「初鰹」と呼びます。江戸時代には「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と俳句に詠われ、縁起の良い春の初物として江戸っ子に珍重されました。脂身よりも赤身が多く、さっぱりとした味わいが特徴で今も昔も人気の魚です。
また、三陸沖まで北上した鰹は、水温の低い親潮にぶつかるとUターンして、9月頃から南下し始めます。これが「戻り鰹」です。夏場に餌をたっぷり食べた戻り鰹は、春よりも脂がのっており、濃厚な味わいです。

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■鰹の栄養成分

100gあたりのエネルギーを比較すると、初鰹が114kcal、戻り鰹が165kcal。脂が乗っている分、戻り鰹の方がやや高カロリーです。
鰹は、不飽和脂肪酸の「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(エイコサペンエン酸)」が豊富。DHAは脳の働きを活性化し、EPAは血栓を予防する働きがあるといわれています。また、造血作用のあるビタミンB12、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、肝機能の働きを助けるタウリンなど、健康に役立つ栄養素もたっぷりです。


■おいしい鰹料理

鰹の身は、鉄分やナイアシンが多いので、加熱するとパサついた食感になるため、刺身やたたきで食すのがおすすめです。
鰹の定番料理といえば「たたき」。別名「土佐造り」といわれるように、高知の名物料理でもあります。詳しくはこちらをご覧ください。
【四季と行事食】春/初鰹(リンク)
http://www.i-nekko.jp/gyoujishoku/haru/hatsugatsuo/

トロ鰹とも呼ばれるぐらい脂がのっている戻り鰹を楽しむなら、刺身がおすすめ。濃厚な味わいが特徴の戻り鰹は、鮮度が落ちてしまうのが早いので、入手したら新鮮なうちに食べてしまいましょう。鮮度がよいと生姜やおろしニンニクなどの薬味がなくてもおいしくいただけます。

新鮮な鰹が獲れる三重県伊勢志摩では、酢飯に鰹の漬けなどをのせた「手こね寿司」が名物料理です。
その他、ごま酢和えなども簡単でおいしくおすすめです。たれの味つけを甘辛に変えれば鰹の韓国ユッケ風にもなります。
秋の味覚をいろいろ楽しみましょう。

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