歳時記にまつわる食の情報と、今も伝わる旬の味わいなどをご紹介します。

食の歳時記・旬の味

カテゴリ一覧を見る

2016年05月03日

ホタルイカ

青白く光ることからその名が付いた「ホタルイカ」。3月から6月にかけて、富山湾ではホタルイカのシーズンを迎えます。美しく光る神秘的な姿と、食べてもおいしい春の味覚として観光名物にもなっています。

pixta_7988737_S泳ぐ蛍いか.jpg


■富山湾の名物、ホタルイカ
ホタルイカは日本海に広く分布し、普段は水深200~600mの深いところに棲んでいます。寿命はほぼ1年で、春になると産卵のため雌は浅い海に回遊してきます。
4月中旬からの1ヶ月間がホタルイカ漁の最盛期。特に水揚げが多いのは富山県滑川市で、漁を見ることができる観光船も出ています。未明に定置網を引くと暗い海に一面、青白い光が浮かび上がってあたりを明るく照らし出し、なんとも神秘的な光景が広がります。
新月の夜には、ホタルイカが水面の高さがわからず波にさらわれてしまうこともあるそうです。これを「身投げ」と呼び、富山の春の風物詩になっています。

pixta_15206859_S蛍いか身投げ.jpg

ホタルイカの大群の発光が見られるのは富山湾だけです。富山湾のすり鉢のような地形と海流によって岸近くまで押されるためといわれ、富山湾東部沿岸域は特別記念物「ホタルイカ群遊海面」に指定されています。


■ホタルイカはどうして光るの?
ホタルイカは胴長7㎝程度。その小さな体にはなんと約1000個の発光器があるそうです。発光物質に発光酵素が作用することによって発光しますが、光っても熱を持たず熱くならないので「冷光」と呼ばれています。これは昆虫のホタルと同じ仕組みですが、発光物質や発光酵素に違いがあるそうです。

また、ホタルイカは何のために光るのか、それにはいくつか理由があるようです。
① 光で身を守るため
暗い海の中で外敵に襲われたときに光を発して相手を驚かせたり、目くらましをしたりして身を守るのではないかといわれています。
② 光で身を隠すため
ホタルイカは海中で体を水平にして泳いでいます。昼間、上から降り注ぐ光によってシルエットができ、外敵に狙われるのを避けるため、腹の発光器が光り、敵の目から見えにくくしているということです。
③ 光で会話するため
ホタルイカの眼は青、水色、緑の3種の色を識別でき、同じ仲間同士や雄と雌との間で合図を送ったり、集団で行動したりすることができると考えられています。


■春の味覚、ホタルイカのレシピ
ホタルイカの旬は3月から6月。ゆでて酢味噌で食べる酢味噌和えや沖漬け(醤油漬け)が定番ですが、ホタルイカの足の刺身「竜宮そうめん」も富山県の郷土料理として知られています。
ホタルイカは内臓に寄生虫がいる場合があるので、生で食べる場合は内臓を取り除いて胴と足だけを。完全に火を通して食べるのがおすすめです。

 

「ホタルイカのからし酢みそ和え」の作り方

【材料】(4人分)
ホタルイカ 20杯
わけぎ 150g
うど 50g
味噌 40g
酢 大さじ1.5
砂糖 大さじ1
練辛子 少々

pixta_7063352_S蛍いか酢味噌和え.jpg

【作り方】
① ホタルイカは塩(分量外)を入れた熱湯で3分程度ゆで、目玉と軟骨を取ります。
② わけぎは洗ってさっと塩ゆでし、水気をしぼって5cm長さに切り、酢少々をふりかけておきます。
③ うどは皮をむいて酢水につけ、5cmの長さの短冊切りにします。
④ 味噌をすり鉢ですり、酢・砂糖・練辛子を加えて、からし酢みそを作ります。
⑤ 器に、ホタルイカ・わけぎ・うどを盛り、からし酢みそをかけて出来上がり!

産地以外で手に入りやすいのは「桜煮」と呼ばれるボイル済みのホタルイカです。桜煮を使う場合はさっと熱湯をかけて、目玉や軟骨を取り除きます(あらかじめ取り除いて販売されているものもあります。)

ページトップへ