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2016年10月18日

五感で楽しむ和菓子

和菓子は五感で楽しむものといわれています。見た目の美しさ(視覚)、食べておいしく(味覚)、手触りや切るときに感じる感触や口に含んだ時の舌触り(触覚)などですが、特に臭覚と聴覚に訴えるものには、和菓子独特のものがあります。

 

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■臭覚に訴える和菓子
和菓子の香りは米、小豆、芋、ニッキ、生姜、ハッカなど、天然素材による「ほのかな香り」です。平安の昔から、衣にたき込めた香の匂いで闇夜でもその人を判別できたり、香りを「香道」という道に極めてしまったように、日本人は香りにも鋭い感性を持っていました。和菓子を天然のほのかな香りで味わうことができるのも、日本人ならではの感性でしょう。

 


■和菓子を聴く
聴覚に訴えるお菓子の音といえば、おせんべいのバリっという音などを思い浮かべますが、和菓子の場合はこれを「菓銘」に求めています。
「菓銘」とはお菓子の名前。花鳥風月、和歌、俳句、歴史、郷土などに基づいて名付けられますが、菓銘を聴くことによって、その和菓子の深みや余韻を味わうのです。

例えば、カエデをかたどった和菓子は見た目で「紅葉の季節だ」とわかるので、その名前が「紅葉」では無粋というもの。この和菓子が「竜田姫」という菓銘なら、秋の女神が染めた葉が風にのって舞い降りてきたように思えます。

 

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※竜田姫についてはこちらをご覧ください。 → 紅葉狩り

 

さらに粋な職人は、カエデの形にはこだわらず、黄緑から橙色にかけて移ろう色を表現して「照葉」という菓銘にする。それだけで。照り輝く紅葉の情景が浮かんでくるようでなければいけない、とさえいわれます。
また、粋な客人は和菓子の姿を見ただけで菓銘がわかるとか。この世界も大変奥が深いようです。

 


■知っておきたい和菓子の食べ方
和菓子を見て、聴いて、嗅いで、口に入れてその味や食感を楽しむためにも、和菓子のスマートな食べ方を知っておきたいもの。お茶席などでも慌てることなく、落ち着いて味わうことができます。

 

【菓子楊枝】

和菓子と楊枝.png


和菓子はフォークではなく、菓子楊枝でいただきたいもの。代表的なのはクロモジの枝をスティック状に削った「黒文字」で、フォークのように切ったり、刺したりして使います。
他にも、青竹、銀、塗り物などの菓子楊枝があり、季節や器によって使い分けると楽しいものです。

 

【串団子の食べ方】

串団子.png


菓子楊枝を使って串から団子を抜き、菓子楊枝または串で1個ずつ刺していただきます。
菓子楊枝を添えていない場合は「そのままお召し上がりください」という意味ですが、懐紙などを口元に添えていただきましょう。

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