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食の歳時記・旬の味

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2017年11月10日

春菊

鍋ものに欠かせない青菜といえば「春菊」。「春の菊」と書きますが、野菜としての旬は冬。鍋ものにはなくてはならない冬の味覚のひとつです。

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■観賞用から食用になった春菊

春菊は、キク科シュンギク属で、原産地は地中海沿岸です。春に菊のような花を咲かせ、葉の形も菊の葉に似ていることから春菊と呼ばれます。
春菊は傷みが早いので、消費地の近くで栽培・出荷されることが多く、西日本と東日本では春菊の種類にも違いがあります。西日本で栽培されている大葉種は切れ込みが浅く、葉が大きくて丸いのが特徴。香りもさほど強くなくクセのない味わいです。関西では、香りと葉や花の形から、「菊菜(きくな)」とも呼ばれています。東日本で栽培されている中葉種は葉に深い切れ込みがたくさんあり、香りも強めです。
これからの季節、すき焼きや寄せ鍋など鍋ものにはなくてはならない野菜ですが、春菊を食用としているのは実は東アジアだけ。原産地でもあるヨーロッパでは、春菊は花を楽しむ観賞用とされていました。しかし、最近では、和食の普及によって徐々に食用として食べる地域も増えているそうです。

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■春菊の旬と栄養

1年中出回っている春菊ですが、旬は10月から3月頃の冬の間。旬の春菊は香りが強く、葉もやわらかくておいしいもの。また、栄養的にも冬にうってつけの野菜です。
春菊には、β-カロテン、ビタミンB群・C、葉酸などのビタミン類、鉄分、カルシウム、カリウムなどのミネラル、食物繊維などが多く含まれています。β-カロテンはほうれん草や小松菜など代表的な緑黄色野菜よりも多く含まれ、免疫力アップにも一役買ってくれそうです。また、春菊の独特な香りの成分は、胃腸の働きをよくしたり、咳を鎮めたりする作用があるといわれています。冬は風邪をひきやすい季節なので、風邪の予防にもなりそうです。


■春菊の選び方

葉に張りがあり、緑色が濃く、なるべく茎の下のほうまで葉がたくさんついているものを選びましょう。葉が黄色くなっていたり、枯れた部分があったりするものは鮮度が落ちています。春菊の茎は固めなので、細めで短いものを選んだ方が食べやすいでしょう。


■春菊の生食レシピ

春菊はアクが少ないので、下茹でしないで使えますが、やわらかい葉先は生でも食べられます。また、茎が細くてやわらかく、香りもきつくない生食用の「サラダ春菊」なども販売されています。春菊はいろいろな料理に活躍してくれるので、定番の鍋もの以外の簡単レシピをご紹介します。

・春菊とベーコンのサラダ
①春菊は食べやすく切って皿に盛り、フライパンでカリカリに炒めたベーコンをのせます。
②フライパンにごま油、またはオリーブオイルを入れ、にんにくのスライスを入れて香りづけし、香りが立ったらにんにくを取り出し春菊にトッピングします。さらに油が十分に熱くなったところで春菊に回しかけます。
③塩こしょう、またはしょうゆをかけて味を調節します。

熱い油がかかるときのジューッという音とにんにくの香りが食欲をそそります。


・春菊とセロリの香りサラダ
①春菊は、葉の部分を食べやすくちぎり、セロリは筋を取って斜め薄切りにします。
②ロースト済みのピーナッツやクルミなど好みのナッツを刻み、①と混ぜます。
③ポン酢とオリーブオイル、塩こしょうを混ぜたドレッシングで。

パクチーなど香りの強い野菜が流行っていますが、春菊の香りやほろ苦さもクセになるおいしさですね。いろいろな料理で試してみてはいかがでしょうか。

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