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食の歳時記・旬の味

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2019年01月21日

金柑(きんかん)

店先でたくさんのみかんの横に、小さな黄金色の金柑が並ぶ季節。皮に甘みがあり、皮ごとおいしく食べられ、ビタミンCが豊富な金柑は、風邪の予防にもなると昔から薬用にも用いられてきました。寒い時期に風邪予防にもなるおいしい食べ方をご紹介します。

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■金柑の種類

金柑はミカン科キンカン属に属する常緑性低木の実で、原産地は中国とされています。金柑にも種類があり、果実がおいしく生で食べられるのは「ネイハキンカン」で、生食用に売られているのはほとんどがこの品種です。この他、「マルキンカン」「ナガキンカン」などの種類があります。どれも実は小さいですが、皮ごとおいしく食べられます。

また、種なし品種の「プチマル」もあります。種がないので普通の金柑より小ぶりです。
出回る時期は、温室やハウス物が11月、12月頃から、露地物は1月から3月にかけてです。最もおいしい旬の時期は1月中旬から3月上旬くらいまで。出回る量も増えるので、この時期にぜひ味わいたいものです。


■おいしい金柑の選び方と栄養

金柑を選ぶときは、色が濃く、つやがあるもの、持ってみて重みがあるものを選びましょう。へたの部分も緑でみずみずしいものが新鮮です。
金柑は、水洗いして皮ごと生で食べるのがおすすめです。買ってきたら、新鮮なうちに早めにいただきましょう。

金柑にはビタミンC、ビタミンE、食物繊維、カルシウムなどが多く含まれます。栄養素は皮に多く含まれているので、皮ごと食べる金柑は栄養豊富な果実といえるでしょう。
昔から風邪の予防や、のどの痛みや咳止めの民間薬として親しまれてきました。


■金柑のおいしい食べ方

へたと種を取り除いてスムージーに入れたり、刻んでサラダのドレッシングに混ぜたりするのもおいしいです。さわやかな味と栄養がプラスされて、おすすめです。
また、おせち料理などにも使われる甘露煮や、ジャムもおすすめです。意外と簡単ですので、作ってみませんか?


●定番「金柑の甘露煮」

金柑は下準備として、洗ってへたを取り、竹串か爪楊枝でまんべんなく穴をあけます。
鍋に下準備をした金柑とひたひたの水を入れて火にかけ、一度茹でこぼします。再びかぶるくらいの水と砂糖(金柑の重さの半量が目安)を入れ、沸騰したら弱火にしてアクを取りながらコトコトと煮ます。皮がやわらかくなって、つやがでたら火を止めてそのままおき、金柑に味を含ませます。

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保存は、熱湯消毒した清潔な保存瓶などに入れて、冷蔵庫で保存してください。
煮汁(シロップ)はお湯で割ると、体が温まるおいしいホットドリンクになります。


●金柑ジャム

ジャムにする場合は、洗ってへたを取った金柑を一度茹でこぼしてから、半分に切って種を取り除きます。その後は甘露煮と同様に煮始めます。しっかり煮詰めて、熱湯消毒した保存瓶で保存してください。パンケーキにのせたり、ヨーグルトにトッピングしたり、紅茶に入れたりしてもおいしいですよ。
おいしく食べて、風邪知らずで寒い時季を乗り越えましょう。

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