日々の便り

2016年03月04日

二十四節気「啓蟄」。春の訪れを告げる「菰はずし」と山菜

3月5日は二十四節気の「啓蟄」。七十二候でも「蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)」に入ります。大地が温かくなり、冬ごもりから目覚めた虫が穴を開いて顔を出す頃。「啓」はひらく、「蟄」は土の中に閉じこもっていた虫だけでなく、蛙や蛇なども表します。

ひと雨ごとに暖かくなり、日差しも春めいてきて、さまざまな生きものが再び活動し始めます。
冬の間、松などの幹に巻かれた菰(こも:藁で編んだ敷物)を外す「菰はずし」を啓蟄の行事とするところもあります。立冬の頃に木に巻きつけておいた菰に、冬の寒さを避けようと、虫が入り越冬します。菰はずしは、その虫が動き出す啓蟄の頃に菰を取り外し、中に入っていた害虫を駆除するという昔ながらの害虫駆除作業です。

土の中から顔を出すのは虫ばかりではありません。つくしが顔を出し、ゼンマイなどの山菜も採れ始める頃。野山で山菜採りができる季節がやってきます。

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春の山菜には独特の苦味がありますが、実は、この苦味やえぐみが、からだにとても良いのです。山菜を食べると、天然の苦味や辛味が冬の間に縮こまっていたからだに刺激を与えて、からだを目覚めさせ、活動的にしてくれるといいます。「春の料理には苦味を盛れ」ということわざもあります。

最近は、スーパーなどでさまざまな山菜が手に入るようになりました。「暮らし歳時記」でも先日、「蕗の薹」についてご紹介しましたが、書いているうちに無性に蕗の薹が食べたくなり、さっそくスーパーで購入!天ぷらと蕗みそを作って味わいました。ほろ苦い味がなんともいえず、お酒もすすんでしまいますね。この時季だけの旬の味覚、山菜をおいしく食べるコツをご紹介していますので、ご活用ください。

【季節のめぐりと暦】二十四節気
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/
【四季と行事食】山菜
https://www.i-nekko.jp/mikaku/mikaku_haru/sansai/

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