6月26日から七十二候の「菖蒲華(あやめはなさく)」です。あやめの花が美しく咲きはじめる頃という意味です。この菖蒲(あやめ)とは、端午の節供に用いる菖蒲(しょうぶ)ではなく、花菖蒲(はなしょうぶ)のことです。
花菖蒲が、園芸植物として盛んに改良され、多くの品種が生まれたのは江戸時代。大輪から小輪、多彩な色や形の花菖蒲は人々に大人気で、江戸の堀切周辺(現在の東京都葛飾区堀切周辺)には、さまざまな品種を集めた菖蒲園がたくさんできました。
関東では5月中旬から6月中旬が見ごろというところが多く、盛りは過ぎてしまったかもしれませんが、東北地方など今まさに見ごろのところも多くあります。
花菖蒲とよく似た花に、「あやめ」や「かきつばた」があります。「何れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」ということわざは、これはどれも美しくて優劣つけがたいという意味。よく似ていますが、見分け方のポイントがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
【暮らしのまつり・遊び】雨が似合う花
また、紫陽花も今が見ごろ。梅雨時の雨に濡れた花の色も美しく趣があります。
紫陽花は土壌が酸性だと青系に、アルカリ性だと赤系になります。日本は火山地帯で雨も多く弱酸性なので地植えのものは青系が主流です。花びらのように見えるのはガクの部分で、中心部に小さな花を咲かせます。てまり状に咲いているのは「西洋アジサイ」。日本が原産の「ガクアジサイ」は額縁のように周囲だけに花が咲きます。
【季節のめぐりと暦】七十二候
【暮らしのまつり・遊び】雨が似合う花
2025年06月26日