6月21日は二十四節気の「夏至」。「立夏」と「立秋」のちょうど真ん中で、一年でもっとも昼が長く夜が短い日です。太陽の通り道が地軸に対して90度で、北半球では正午の太陽がほぼ真上に近いところを通ります。
三重県二見浦では、5月頃から7月頃に、大小仲良く並んだ夫婦岩の間から朝日が昇ります。日本には夫婦岩がたくさんありますが、岩の間から朝日が昇るのは大変珍しく、特に夏至の頃は、約200㎞先の富士山の背後より昇る日の出となることから、特別な光景です。
七十二候では「乃東枯(なつかれくさかるる)」の時期です。「乃東」というのは「夏枯草(なつかれくさ、かごそう)」、「うつぼ草」の異名で、冬至の頃に芽を出して、夏至の頃に紫色の花穂が黒ずみ、枯れたように見えます。この花穂は、昔から洋の東西を問わず生薬として利用されていたそうです。
さて、6月から7月は、関西の夏の味として欠かせない「鱧(はも)」がおいしい季節。産卵期前の栄養を蓄えた雌は脂がのって味も格別。紀伊水道、瀬戸内海で獲れる鱧は、関西ではポピュラーで、京都の「祇園祭」や大阪の「天神祭」でも「祭り鱧」と言って、欠かせない夏の魚です。
残念ながら、関東以北では近海で獲れなかったことや、「骨切り」という独特な調理方法が必要なこともあり、一般的には鱧を食べるという習慣が根付かなかったようです。
食べたことがないとなると、余計に気になるもの。鱧ってどんな魚でしょうか。おいしい食べ方などもご紹介しています。
【旬の味覚と行事食】夏/鱧
【季節のめぐりと暦】二十四節気/夏至
【季節のめぐりと暦】七十二候
【旬の味覚と行事食】夏/鱧
2025年06月21日