7月の和風月名は「文月(ふみづき、ふづき)」。七夕の短冊にちなみ「文披月(ふみひろげづき、ふみひらきづき)」と呼ばれ、そこから転じて「文月」になったといわれます。また、旧暦の7月は稲穂が膨らむころだったので「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくみづき)」から転じたという説もあります。
7月1日は、七十二候の「半夏生(はんげしょうず)」。「半夏」とは、「烏柄杓(からすびしゃく)」という薬草のことで、「半夏」が生えはじめる頃という意味です。また、夏至から数えて11日目の雑節「半夏生(はんげしょう)」にあたります。田植えは半夏生に入る前に終わらせないと秋の収穫が減るといわれ、農作業の大切な目安とされてきました。
初夏の日差しの下、田植えを終えた緑の田んぼが一面に広がる様子は、日本の原風景といえるでしょう。無事に田植えが終わると、水田や神棚に餅やお酒を供え、田の神様に感謝する「さなぶり」という行事を行うところもあります。
近畿地方では収穫した小麦で「半夏生餅」を作って田の神様に供え、関西地方ではたこの足のように大地にしっかり根付くようたこを食べるなど、各地に半夏生ならではの風習があります。
また、7月は富士山の山開きが行われます。富士山は人気の観光スポットでもあり、多くの観光客・登山客でにぎわうシーズンです。近年は海外からの登山者も急増しています。オーバーツーリズムの影響で、安全の確保や環境保護などに様々な問題が生じているため、2025年からは登山規制が変わりました。
登山の事前予約制、入山料の徴収、指定時間外の入山の禁止、事前学習(eラーニング)の必須化 など、新しいルールが作られています。富士登山の際には、登山者自身の安全を確保するためにもよく理解し、順守しましょう。
【季節のめぐりと暦】和風月名
【季節のめぐりと暦】雑節/半夏生
【暮らしのまつり・遊び】夏/山開き
2025年07月01日