日々の便り

2016年04月19日

穀物を潤す春の雨が降る「穀雨」。恵みの雨の名前いろいろ。

4月20日は二十四節気の「穀雨」。「雨が降って百穀を潤す」という意味です。
その名の通り、雨が降る日が多くなり、田畑が潤います。春先の変わりやすい天気も安定し、種まきなどに適した季節で農作業の目安とされていました。
農作業では雨はとても重要なものなので、雨を表すことばにも多くの種類があり、春の雨の名前だけでもいくつもあります。
例えば、降ったり止んだりと定まらない雨を「春時雨(はるしぐれ)」。しとしと静かに降る雨を「春雨」。激しく降るにわか雨は「春驟雨(はるしゅうう)」。菜の花などの花々が咲く時期の雨を「菜種梅雨(なたねづゆ)」。花の開花を促すように降る雨を「催花雨(さいかう)」といいます。雨の降り方の違いが細やかに感じられる美しいことばですね。

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四季の雨の名前はこちらでもご紹介していますのでご覧ください。
【暮らしの作法】風流なことば/雨の名前
http://i-nekko.jp/chie/kotoba/ame/

そして七十二候では「葭始生(あしはじめてしょうず)」になります。
水辺の葭(あし)が芽吹き始める頃で、夏には背を伸ばし、秋に黄金色の穂をなびかせます。
葭は蘆、葦とも書きますが、「あし」が「悪し」に通じるということで「よし」ともいわれ、昔から、「葦簀(よしず)」や「すだれ」などに使われる身近な植物です。

穀雨が終わるのは5月初旬で、八十八夜を迎えます。「夏も近づく八十八夜」の歌のように、穀雨の後は少しずつ日差しが強くなり、気温も上がっていきます。

【季節のめぐりと暦】二十四節気
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/nijyushisekki/
【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしの作法】雨の名前
http://i-nekko.jp/chie/kotoba/ame/
 

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