日々の便り

2018年03月15日

七十二候「菜虫化蝶」。豊作願う「十六団子」や「春社」の風習

3月16日から七十二候では「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」。青虫がモンシロチョウになる頃という意味です。「菜虫」とは大根やかぶ、アブラナなどの葉を食べる青虫のことです。畑を荒らす害虫の青虫がさなぎとなって冬を越し、春になると優雅な蝶へと生まれ変わります。花から花へと飛び回り、今度は花粉を運んでくれるようになるのは、何とも不思議な気がします。暖かな春の日差しを浴びてひらひらと蝶が飛ぶ姿は、かわいくもあり、はかなげでもありますね。

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また、3月16日は「十六団子」の日。田の神様が山から里へ下りてきて、これから始まる農作業を見守り、秋の収穫が済むと山に帰っていくという信仰があり、田の神様が来る3月と帰っていく10月または11月の16日には、16個の団子を作ってお供えをしました。今でも東北地方の一部ではこの風習が続いています。

そして3月17日は雑節のひとつ、春の社日です。今はあまり馴染みがありませんが、春分と秋分に最も近い戊(つちのえ)の日を「社日」といい、雑節のひとつとして親しまれていました。春の社日は「春社」と呼ばれ、種まきの頃の節目として五穀の種子を供えて豊作を祈り、秋の社日は「秋社」と呼ばれ、収穫の時期の節目として、初穂を供えて収穫を感謝する習わしがあったそうです。
また、社日は「土の神」をまつるので、この日は農作業など、土をいじることを忌む風習が各地に残っています。

【季節のめぐりと暦】七十二候
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