日々の便り

2018年07月31日

8月1日は八朔。「田の実の節供」と頼みの風習

8月の和風月名は「葉月(はづき)」。旧暦では7月が秋の初めの初秋なので、8月といえばもう仲秋。それで葉の落ちる月で「葉落月(はおちづき)」、それが転じて「葉月」になったという説が有力です。でも、実際はギラギラの太陽が照りつける毎日ですから、今風に解釈するなら、日差しを避けて木陰を求めるから葉月・・・というほうがしっくりきますね。

また、旧暦8月1日は「八朔(はっさく)」。八朔とは「八月朔日(さくじつ/ついたち)」の略で、朔日とは1日、つまり8月1日をさしています。旧暦8月1日頃は、ちょうど稲穂が実り始める大切な時期だったので、豊作祈願の祭りを行うようになり、田の実りを願うので「田の実の節供」と呼ばれるようになりました。

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さらに「田の実」が「頼み」に転じ、八朔にはさまざまな贈答の風習も生まれ、農村では初穂を世話になっている人に贈る習わしがありました。京都・祇園では8月1日に芸妓や舞妓が盛装して芸事の師匠やお茶屋などにあいさつ回りをする風習が今も続いています。もともとの旧暦に近い9月上旬に「八朔祭」をする地方も西日本を中心に多く残っています。熊本県山都町の八朔祭は有名です。福井の八朔祭りでは子孫繁栄も祈願します。八朔の祭りのひとつ「八朔相撲」は豊作を祈願する奉納相撲が始まり。ちびっこ相撲などもある人気の行事として、今も各地で開催されています。

【季節のめぐりと暦】和風月名
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/zassetsu/wafuugetumei/
【季節の行事】八朔
https://www.i-nekko.jp/gyoji/2015-082710.html

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