日々の便り

2020年11月11日

七十二候「地始凍」。実りの秋の「新蕎麦」、旬の「春菊」

11月12日から、七十二候では「地始凍(ちはじめてこおる)」になります。大地が凍り始める頃という意味で、霜が降りたり、霜柱が立ったり、水たまりに氷が張ったりしはじめます。11月に入り、朝晩はけっこう冷えるようになりました。アスファルトばかりの都会では霜柱を踏む機会もありませんが、子どもの頃、霜柱を踏んだときのあのサクッとした感触がなんとも気持ち良かったものです。

さて、秋の新蕎麦の季節です。蕎麦は、夏と秋に収穫され、秋の新蕎麦を略して「秋新(あきしん)」と呼びます。蕎麦も実りの秋に収穫されたものが一番おいしいといわれ、蕎麦好きな人たちが心待ちにしています。南北に細長い日本列島では、新蕎麦の出回る時期も幅がありますが、関東以西ではおいしい新蕎麦が食べられそうです。

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その蕎麦の味わい方ですが、蕎麦はもともと皿に盛りつけた「もり」蕎麦で、その後冷たいつゆをぶっかけた「かけ」が現れ、寒い時期には温めたつゆをかけるようになりました。やがて、蕎麦を盛りつける器によって「ざる」といったり「せいろ」といったり、海苔がかかったりとさまざまに変化して、今ではお店によってもまちまちです。

また、この時期旬を迎える「春菊」。鍋ものに欠かせない身近な野菜ですが、実は春菊を食用にしているのは東アジアだけ。原産地であるヨーロッパでは、春に咲く花を楽しむ観賞用なのだそうです。私たちは春菊といえば葉の方を思い浮かべ、花はあまり見たことがないですね。
この春菊、鍋に入れるだけでなく、ごま和えや天ぷらにしてもおいしいですね。カラッと揚げた春菊のかき揚げ天を熱々の新蕎麦にのせて食べる。家でも手軽にできて私の好きな一品です。春菊は栄養も豊富で、風邪予防にも一役買ってくれるそうです。

【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【食の歳時記・旬の味】新蕎麦
https://www.i-nekko.jp/shoku/2018-052706.html
【食の歳時記・旬の味】春菊
https://www.i-nekko.jp/shoku/2018-110510.html

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