日々の便り

2020年08月16日

七十二候「蒙霧升降」。涼やかな「かき氷」を楽しむ

8月17日から七十二候の「蒙霧升降(ふかききりまとう)」になります。深い霧がまとわりつくように立ち込める頃。まだ残暑は厳しいものの、早朝は空気が冷え、山間部や水辺では、あたり一面が白い霧に包まれて幻想的な風景を作り出すことがあります。

さて、暑い日差しが照りつけるなか、「氷」と書いたのぼりをみると心が惹かれます。冷たい「かき氷」を食べてひと涼みというのは、夏ならではの楽しみです。最近はかき氷ブームで一年中かき氷が食べられますが、やはり「かき氷」は日本の夏の風物詩、夏の季語で「夏氷(なつごおり)」ともいいます。

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実はこのかき氷、冷凍庫がある現代だけの食べものではありません。昔の人も、暑い季節にかき氷を食べて涼をとるのが大好きでした。冷凍庫のない時代、どうやって真夏にかき氷を楽しんでいたのでしょうか。

昔は製氷技術がなかったので、冬の間、池で凍った氷を切り出し、それをなるべく溶かさないように貯蔵しました。山の麓の穴蔵や、洞窟の奥などを利用してそこに大量に氷を入れて冷却効果を高め、さらに断熱効果を高めるためにおがくずなどをかけて保存しました。この貯蔵場所を氷室と呼びます。もちろんこんな贅沢は貴族だけのものでした。清少納言の『枕草子』には、「削り氷にあまづら入れて、新しき金鋺(かなまり)に入れたる」と記述されています。

今人気の天然氷も、この昔ながらの製法に近い形でじっくり凍らせた氷で、くちどけの良さが人気の理由のひとつのようです。様々なシロップやフルーツ、練乳、クリーム、あんこや抹茶などのトッピングと、楽しみ方はいろいろ。写真映えする豪華なかき氷がSNSをにぎわせていますが、ご当地かき氷といえるその土地ならではのかき氷もあるようです。そのいくつかをご紹介します。
【旬の味覚と行事食・夏の食】かき氷
https://www.i-nekko.jp/mikaku/mikaku_natsu/kakigoori/

【季節のめぐりと暦】七十二候
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