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2017年08月16日

金魚

水の中をひらひらと涼しげに泳ぐ金魚。金魚を見ていると暑さがスーッと引くようにも感じられます。金魚は誰でも気軽に飼育することができるので、日本人にとって最も身近な観賞魚でしょう。子どもの頃、金魚すくいに夢中になったなんて思い出のある方も多いことと思います。金魚は夏の風物詩のひとつ。かわいい金魚を眺めながら、ひととき暑さを忘れて和んでみませんか。

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■江戸で大流行の金魚

金魚は、突然変異で赤くなったフナがその始まり。1500年以上(一説には1700年以上)前の中国では野生の赤いフナ(緋鮒:ヒブナ)を捕まえて飼育していたそうです。やがて人の手で繁殖させて改良品種が作られるようになりました。

日本には、室町時代に中国から伝わりました。大名や一部の富裕層の贅沢な趣味でしたが、江戸時代後期になると庶民の間にも金魚ブームが起こり、養殖や品種改良が盛んに行われるようになりました。天秤棒に金魚を入れた盥を下げて「きんぎょ~え~、きんぎょ~」と売り歩く「振売り」は江戸の夏の風物詩。金魚売りから買った金魚は「金魚玉」と呼ばれるガラスの金魚鉢に入れて、軒に吊るしたりして楽しみました。
金魚の養殖は、下級武士の副業として生活を支えてもいました。

■金魚の種類いろいろ

ひとくちに金魚といっても種類はさまざま。江戸時代は和金やランチュウなどが主でしたが、その後中国からたくさんの品種が入ってきました。現在、日本固有の品種とされる金魚も当時輸入された金魚を基に日本で改良されたものです。

金魚は大きく4つに分けることができます。フナに近い細長い形をした「和金型」、丸みのある形でゆったりと泳ぐ「琉金型」「ランチュウ型」「オランダ獅子頭型」です。
また、金魚の特徴のひとつが尾びれの美しさ。フナと同じ形の「フナ尾」、フナ尾が長く伸びた「フキナガシ尾」。尾が開いているものにはその形状によって「三つ尾」「サクラ尾」「四つ尾」「クジャク尾」「反転尾」などがあります。

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そして、金魚たちの美しさ、かわいらしさを堪能するため、「横見」「上見」など眺め方にもこだわりがありました。「横見」は金魚を横から眺め、「上見」は上から眺めて楽しみます。

さまざまな金魚を見てみたいという方は、東京スカイツリータウン・ソラマチ内のすみだ水族館がおすすめです。8月31日まで、色も形もさまざまな約20品種、約1000匹の金魚を鑑賞できる「東京金魚ワンダーランド」が開催されています。


■縁起の良い金魚と祭り・イベント

金魚は「金運を高める」とか、「赤い色が病魔を遠ざける」などといわれ、縁起の良いものとされてきました。真偽のほどはともかく、特権階級から庶民まで人々に親しまれた金魚は由緒ある祭りのシンボルや、最新鋭のビジュアルアートのモチーフになっています。

●青森の金魚ねぶた
「ねぶた祭」に欠くことが出来ない「金魚ねぶた」。まん丸いからだに尾ひれをつけた愛らしい形で、本来は灯籠として作られたものだそうです。記録によると、江戸時代には上方から金魚が伝えられており、津軽地方でも地金魚の飼育・改良が熱心に行われたそうです。金魚ねぶたの成り立ちははっきりとしませんが、地元の人々に愛されて今日の形になったのではないでしょうか。

●山口県柳井市の金魚ちょうちん
山口県柳井市には「金魚ちょうちん」という民芸品があります。赤と白の胴体に丸い目をぱっちり開けたかわいらしいものです。幕末のころ、青森のねぶたにヒントを得て作られ、発展したものといわれており、毎年お盆のころに盛大な「金魚ちょうちん祭り」が開催されています。また、8月31日まですみだ水族館の金魚展示エリア「江戸リウム」の空間演出に使われています。

●アートアクアリウム
東京・日本橋では「江戸・金魚の涼」をテーマにしたアートアクアリウムが、9月24日まで開催されています。幻想的な和の水中空間が広がり、金魚を中心に約8,000匹の観賞魚が泳ぎます。その他にも多彩な催しが日本橋の街全体で開催され、東京の夏の新しい風物詩になりつつあります。

また、10月25日からは京都・本離宮二条城にてアートアクアリウム城~京都・金魚の舞~が開催されるそうです。

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