いまは、掃除機が床はもちろん、高いところや隅っこのホコリまで吸い取ってくれるので箒(ほうき)やはたきがないというご家庭も多いのではないでしょうか。
でも、昔ながらの掃除のコツは、新しい掃除器具を使う時でも参考にしたい点がたくさんあります。
■昔ながらの掃除のコツ
掃除の基本は、はたきで高いところから順にホコリ等の汚れを「はたき落とし」、落ちてきた汚れを箒(ほうき)で「掃き出し」、きつく絞った雑巾で「拭き清める」ということです。それぞれの道具の使い方のコツを知っていると効率よく掃除ができます。
【はたき掃除のコツ】
高い所から低い所へ向かって進めます。力を入れずに一定のリズムを保つと、布がよく動いてホコリもよく落ちます。
【掃き掃除のコツ】
高い位置か低い位置へと進めます。掃くときは、後ろに下がりながら、畳や床の目にそって箒を動かします。水気を絞った茶殻を畳や床にまいてから掃くと、ホコリも立たず、お茶に含まれているカテキン成分で消臭・除菌の効果も期待できます。ほんのりお茶の香りもして、昔ながらのおばあちゃんの知恵には感心してしまいます。
【拭き掃除のコツ】
基本的には掃き掃除と同じですが、畳の縁は拭いてはいけません。繊細な木材は杢目にそって乾拭きで。敷居も水拭きだと滑りが悪くなるので乾拭きにします。それ以外は固く絞った濡れ雑巾で拭き、乾拭き仕上げをするとさらに良いです。
■「箒」選びのポイント
箒(ほうき)は電気を使わず、音も出ないのでいつでも使えます。掃除機のように部品をつけたり、コードをさし込んだり巻き取ったりすることもなく、必要なときに手軽にさっと取り出して、さっとしまえます。また、手で持っても軽いのでけっこう楽に掃除ができます。
とても便利な箒ですが、どんな箒を選ぶかによって使い勝手が全く違います。しなり具合やカットの仕方で、からだと床面への負担が全然違います。
箒の種類にはいろいろありますが、屋内用の代表は次の2つ。
【江戸箒】
ホウキモロコシという草を使い、軽い割にコシが強く、扱いが楽で畳に適しています。
まずは、座敷用やフローリング用にして、古くなったら玄関などの土間用、最後は庭掃除用と下ろしていけば、5年から10年は使えます。
【棕櫚(しゅろ)箒】
やわらかなシュロを使っているため、当たりがソフトで床を傷つけず、ホコリも舞い上がらず、掃き込むにつれ艶も出ます。上等なものは20年近く使えます。
いずれも穂先が減ったら長さを切りそろえ、吊るして収納すると長持ちします。
■雑巾の正しい絞り方
固く絞った雑巾できゅっきゅっと拭きあげ、掃除を仕上げたいところですが、雑巾が固く絞ぼれていないと、せっかくの掃除が台無しです。
雑巾の正しい絞り方は、剣道の竹刀を握るように持ち、脇を閉めて手首を内側に絞り込むように「縦絞り」にします。
横に持ってねじって絞る「横絞り」では力が入らず固く絞れないのです。
雑巾にかぎらず、布巾やタオルを絞るのが苦手という方は「横絞り」かもしれませんので、「縦絞り」を試してみてくださいね。