2018年04月09日

虹は何色?

雨上がりの空を見上げると、美しい虹が見えることがありますが、その虹の色は何色に見えますか?意外にも日本人の見え方と、世界各国での見え方には違いがあります。

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■虹はどうして見えるの?
雨上がり、または雨が降っていても日が差すと、太陽がある方向と反対の方に虹が見える時があります。虹は、空気中の水滴がプリズムとなって、太陽光を反射し、太陽光の波長の違いによって色分けされて見えるもの。このため、波長の長い赤は虹の外側に、波長の短い紫は一番内側に見えます。虹の色の順番は、外側から「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」。日本では「七色の虹」というように、虹の色は7色というのが常識となっていますが、世界では虹は7色とは限りません。

■世界の虹の色
アメリカやイギリスでは、一般的に虹は6色といわれていて、藍色を区別しません。ドイツではさらに橙色も区別しないので5色となり、アフリカでは暖色と寒色のみで2色という部族もあるそうです。
同じ虹を見ているのに、どうしてでしょうか。
もともと虹は連続して変化した色の帯ですから、はっきりとした色の境目があるわけではありません。これを何色ととらえるのかは、その国の文化によって違いが出てきます。また、色の名前を知らなければ、色を識別することもできません。
日本では馴染み深い藍色を、日本人は虹の色として捉えることができるため、欧米では6色と言われている虹を、7色と感じることができるのでしょう。

ちなみに、色彩学上の定義は7色。イギリスの物理学者のニュートンが、当時のイギリスで「赤、黄、緑、青、紫」の5色と考えられていたところに、「オレンジの橙」「インディゴの藍」を加えて7色としました。肉眼では4~6色しか識別できないはずだという説もありますが、日本人は日本人の美意識で7色と感じているのです。

・太陽や月の色も違う?
各国の文化の違いによって、虹の色の認識が違うように、太陽や月の色の感じ方にも違いがあります。太陽の絵を書くとき、日本人は必ず赤を使いますが、他の国では圧倒的に黄色で、少数派ながらオレンジもあります。日本人にとっては黄色は月のイメージ。月の色は日本と同じように世界でも黄色が多く、次が白で、青や赤という国もあります。

色についての私たちの常識も、世界では通じないことも多いのですね。感じ方はさまざまでも、虹を見て美しいと思う心は一緒ではないかと思います。


■虹は2本でワンセット

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虹が出たときに、よく見てみると、その外側にもうひとつうっすらと虹がかかっているのが見えることがあります。実は、虹は2本でワンセット。よく見えている虹を主虹(しゅにじ)と呼び、その外側にひと回り大きい副虹ができます。主虹は太陽の光が水滴の中で1回反射したもの。屈折して2回反射したものが副虹で、色の順番も反対です。副虹は光が弱くて薄いため、条件のよいときしか確認できません。
副虹まで見えれば、ラッキーですね。

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