2021年04月23日

チューリップ

「咲いた、咲いた、チューリップの花が」と童謡にも歌われるチューリップ。私たちになじみの深いかわいらしい春の花です。育てやすく、種類も豊富なチューリップは、世界中で人気があります。チューリップの花ことばや名前の由来など豆知識を集めてみました。

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■世界中で愛されるチューリップ
チューリップは、もともとは地中海沿岸から中央アジアにかけて分布する球根植物で、オスマントルコから16世紀にヨーロッパに伝えられ、オランダやイギリスなどでさらに改良されて日本に伝わりました。育てやすく、種類も豊富で世界中で人気のある花です。
5000を超える品種があり、世界中でおよそ1000品種のチューリップが栽培されているといわれます。チューリップには開花期によって早生、中生、晩生があり、一重咲き、八重咲き、ユリ咲き、フリンジ咲き、パーロット咲きなど、花の形や姿も豊富。見飽きない美しさ、かわいらしさがありますね。

■チューリップの育て方
チューリップの球根は秋植えです。冬の間は何の変化もないように見えますが、この間に根が伸びています。1月ごろから芽が出て葉が伸びてきます。やがて花茎が伸びて4月ごろに開花します。
秋ごろになると園芸店などでいろいろな種類の球根が販売されます。購入する際は、堅く締まった大きな球根で、黒っぽい斑点などがない肌のきれいなもの、発根部が変色していないものを選びましょう。根が出ている球根は避けてください。

■チューリップってどんな意味?
チューリップの名前の語源は、原産地のトルコの「チュルバン」ですが、この言葉の意味は頭にまくターバン。オーストリア大使が現地でチューリップを指して花の名前を尋ねた際、通訳が間違って「チュルバン(ターバン)に似ている」と答えたところ「チュルバン」という名で伝わってしまい、「チューリップ」になったといわれています。本来トルコ語では「ラーレ」といいます。

■チューリップの花ことば
チューリップの花ことばは、イギリスでは「博愛、思いやり」、フランスでは「正直、丁重」「華美」「恋の告白」「まじめな愛」などです。そして、これらの花ことばの由来とされているのが、オランダのチューリップ物語です。
昔ある村に、とても心やさしく美しい女性がいて、3人の騎士から結婚を申し込まれました。3人の騎士は、それぞれの家宝である「王冠」「剣」「金塊」を女性にプレゼントし愛を告げましたが、心やさしい女性は1人を選ぶことができません。そこで、女性は女神フローラに「私を花の姿に変えてください」とお願いし、女神フローラは女性をチューリップの花の姿に変えてあげたというものです。チューリップの花は「王冠」、葉っぱは「剣」、球根が「金塊」を表しているといわれます。

チューリップは色や花の種類、花束にしたときの本数などによっても様々な花ことばがあります。例えば、赤いチューリップの花ことばは「愛の告白」、ピンクのチューリップは「愛の芽生え」、紫のチューリップは「不滅の愛」、白いチューリップは、「失恋」「新しい愛」「純粋」、黄色いチューリップは、「望みのない恋」「高慢」です。たくさんの花ことばがあって面白いですね。

チューリップの物語といえばアンデルセン童話の「おやゆび姫」も有名ですね。「おやゆび姫」という名前の、茎が短く背の低い赤いチューリップの品種もあります。


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■日本のチューリップ、名産地
チューリップは日本に江戸時代後期に伝来しましたが、普及せず大正時代に入ってようやく本格的な球根栽培が始まりました。
富山県がチューリップの球根の出荷量日本一、新潟県がチューリップの切り花の出荷量が日本一ということで、富山と新潟では県花にもなっています。いずれも稲作が盛んな地域ですが、冬の間は雪が降る寒冷地。チューリップはその田んぼの裏作として始められたそうで、今や県を代表する特産品のひとつです。

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