12月22日は「冬至」。北半球では太陽が1年で最も低い位置にきて、夜が一番長くなる日です。
1年で最も日が短いということは、翌日からは日が長くなっていくということです。そこで、この日を境に太陽が生まれ変わるととらえ、世界各地で祝いの祭りが行われるようになりました。中国や日本では、冬至は「陰」の極みで、明日からはまた「陽」にかえるということから「一陽来復(いちようらいふく)」といい、冬至を境に運が上昇するといわれています。
冬至には「ん」のつくものを食べると「運」が呼びこめるといわれています。しかも「ん」が2つつけば運も倍増というわけで、「なんきん(南瓜:かぼちゃ)」「れんこん(蓮根)」「にんじん(人参)」「ぎんなん(銀杏)」「きんかん(金柑)」「かんてん(寒天)」「うんどん(饂飩:うどん)」が「冬至の七種(ななくさ)」とされています。「冬至かぼちゃ」は有名ですね。
運だけでなく栄養をつけて冬を乗り切る知恵でもありました。他にも「はんぺん」「きんとん」「あんぱん」などいろいろな「ん」のつくものを探してみるのも面白いですね。
また、小豆のように赤い色の食べものは邪気を払うと考えられているので、冬至に小豆粥を食べ、無病息災を祈る風習があります。
邪気を払うといえば、冬が旬の「柚子」は香りも強く、強い香りのもとには邪気がおこらないという考えもあり、「一陽来復」の運を呼びこむ前に、禊(みそぎ)として「柚子湯」で身を清めました。もちろん、血行を促進して体を温める効果もあるので、柚子湯に入ると風邪をひかないといわれています。冬至の風習には、元気に冬を越す知恵がいろいろと詰まっています。
七十二候では、今日から「乃東生(なつかれくさしょうず)」です。これに対し、夏至の頃には「乃東枯(なつかれくさかるる)」があります。
乃東とは夏枯草の別名で、うつぼ草のことを指し、冬至の頃に芽を出し、夏至の頃に枯れるという珍しい花です。花の形が弓矢を入れる道具の「靭(うつぼ)」に似ていることからその名があります。
【季節のめぐりと暦】二十四節気
【季節のめぐりと暦】七十二候
【旬の味覚と行事食】冬/小豆粥
【旬の味覚と行事食】冬/金柑
2025年12月22日

