2024年10月23日

温泉

日本は世界有数の温泉大国。日常から離れ、山や海など自然豊かな温泉地でのんびりと温泉に入り、心身ともにくつろぐのは最高ですね。温泉にはたくさんの種類、効能があり、古くから名湯とされている温泉もたくさんあります。温泉のまめ知識を知れば知るほど、ますます温泉に入るのが楽しみになりそうです。

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■そもそも温泉とはなに?
昭和23年に制定された温泉法によると、温泉とは、
・地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く)で、温泉源から採取されるときの温度が25℃以上
・温泉の成分としていされている19種類のうち、いずれかを規定量以上含むもの
このどちらかをクリアしているのが温泉とされています。
つまり、温かくて温泉成分を含むものだけが温泉ではなく、温かくても温泉成分を含まない温泉や、温泉成分を豊富に含んでいても冷たい温泉もあります。

■日本にはどのくらい温泉があるの?
環境省の令和4年の発表によると、日本の源泉数は約28,000か所(未利用分含む)、湧出量は毎分250万リットル以上にもなります。源泉数、湧出量とも日本一は大分県。源泉数は5,090か所(2位鹿児島は2,738か所)、湧出量は295,708 L/分(2位北海道は196,262L/分)で、群を抜いています。
全国の温泉地(宿泊施設あり)の総数は2,879か所、そのうち一番多いのは北海道(230か所)、次いで長野県(194か所)です。宿泊施設数でみると、総数12,999件に対し静岡県が2,108件とトップです。次いで長野県(1,002件)、大分県(875件)と続きます。

■日本に温泉が多いのはなぜ?
温泉には火山性の温泉と非火山性の温泉があります。
地下水がマグマの熱で温められて地上に噴出したのが火山性の温泉です。高温で吹き出す温泉や蒸気が吹き出す温泉の多くは火山性です。
また、地中は100m深くなるごとに約3℃ずつ地温が上昇します。地下1000mで約30℃、2000mで60℃の計算になります。このような地中深くで温められた地下水が温泉になったものが非火山性温泉です。日本では、地下2000m以上掘削する技術が進歩して非火山性温泉のほうが多くなっています。

■歴史を感じる日本の名泉
たくさんの温泉がひしめき合っているような日本ですが、中でも「日本三名泉」「日本三古泉(日本三古湯)」といわれ、古くから尊ばれている温泉があります。
日本三名泉は、有馬温泉(兵庫県)、草津温泉(群馬県)、下呂温泉(岐阜県)とされています。室町時代の歌人、万里集九(ばんりしゅうく)が名泉として書き残し、江戸時代の儒学者、林羅山が紹介して広まったとされます。
日本三古泉には2つの説があります。1つめは、約3000年の歴史があるという道後温泉(愛媛県)、日本書紀や枕草子にも登場する有馬温泉(兵庫県)、万葉集や日本書紀に紹介される白浜温泉(和歌山県)。2つめは、道後温泉、有馬温泉、1600年以上の歴史を持ついわき湯本温泉(福島県)です。
また、「日本三大美人の湯」といわれているのが、川中温泉(群馬県)、龍神温泉(和歌山県)、湯の川温泉(島根県)。
「日本三大美肌の湯」といわれているのが、嬉野温泉(佐賀県)、斐乃上温泉(島根県)、喜連川温泉(栃木県)です。

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■この温泉の泉質は?酸性かアルカリ性でも違う効果効能 
温泉の泉質は含まれる成分の種類とその含有量によって決められています。現在、泉質名は「単純温泉」「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「二酸化炭素泉」「含鉄泉」「酸性泉」「含よう素泉」「硫黄泉」「放射能泉」の10種類。それぞれに湯の特徴がありますので、温泉に行くときは泉質もチェックするといいですね。
また、温泉のpH値も参考になります。pH値の数字が小さいと酸性で、大きいとアルカリ性。酸性の湯は、肌の角質を柔らかくし、ピーリング効果や殺菌効果などが期待できます。強酸性だと肌がピリピリすることもあります。
アルカリ性の湯は、トロトロとした感じの湯。クレンジング効果があるといわれ、肌がツルツルします。弱アルカリ性の温泉は肌にやさしく、美人の湯、美肌の湯ともいわれます。

■温泉に入るときのポイント
気持ちよく温泉を楽しむために、温泉ならではの注意ポイントもあります。
・温泉宿などで食後すぐの入浴は胃に負担がかかります。できれば1時間以上あけるか、食前に入りましょう。
・入る前と後に水をコップ1杯飲みましょう。思いのほか体内の水分が奪われるので湯あたり防止のためにも、水分摂取が必要です。ただし、酒類は控えましょう。
・入るときは、かけ湯をして体の汚れを流してから。かけ湯で湯の温度も確認できます。足先からゆっくり入り、徐々に温泉に体を慣らします。
・長い髪は湯に入らないようにまとめて、化粧はあらかじめ落としておきましょう。タオルなども湯につけないように注意します。温泉を汚さず、みんなが気持ちよく使うためのマナーです。
・上がり湯をするとせっかくの温泉成分が洗い流されてしまうので、そのまま出るのがおすすめ。体が温まり、肌が潤っているうちにスキンケアをしましょう。ただし、泉質が強くて刺激がある場合は、上がり湯をしたほうが良いでしょう。



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