2026年10月28日

「読書の秋」と「読書週間」

秋が深まり、夜の時間が長く感じられる頃は、ゆっくりと本を読むのに良い時季です。「読書の秋」という言葉を耳にする機会も増えてきます。「読書週間」も行われ、本に親しむ話題も多く見られるようになります。そこで「読書の秋」と呼ばれるようになった由来とともに、読書週間や本を楽しむヒントをご紹介します。

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■「読書の秋」と言われるのはなぜ
「読書の秋」の由来としてよく知られているのが、中国・唐代の詩人、韓愈(かんゆ)の漢詩に見られる「燈火稍可親(とうかややしたしむべし)」という一節です。「時秋積雨霽、新涼入郊墟。燈火稍可親、簡編可卷舒」(秋の長雨が上がり、涼しい風が吹きはじめた。ようやく灯火の下で書物に親しむのに良い季節になった)という、学問の大切さを説く詩の中に登場します。日本では、この言葉が「灯火可親(とうかかしん)」という四字熟語となり、さらに「灯火親しむべし」という表現で広く親しまれるようになりました。
夏の間は、ろうそくや油を使った明かりが熱く、虫も寄ってくるため、落ち着いて読書を楽しむのはむずかしかったのでしょう。そう考えると、読書に適した季節になった喜びも感じられます。日本でも古くから親しまれた言葉で、夏目漱石の小説「三四郎」にも登場します。

■「読書週間」のはじまり
「読書の秋」をさらに定着させたのが「読書週間」です。
戦後間もない1947(昭和22)年、食べるのもやっとという時代にもかかわらず人々の読書への関心は高く、出版活動も活発になりつつありました。そこで「読書の力によって、平和な文化国家を作ろう」という願いのもと、出版業界や図書館、マスコミなどが協力して読書週間をスタートさせました。
当初は11月17日から23日までの1週間でしたが、反響を呼び、翌年の1948(昭和23)年からは、文化の日(11月3日)を中心に10月27日から11月9日までの2週間となりました。
今年で第80回を迎える「読書週間」。毎年ポスターや標語を募集しており、今年の標語は「静かだけど、冒険中」。本を読むことでしか味わえないワクワク感やドキドキ感を表しているようですね。

■「読書の秋」のイベント
この時季、古書店が立ち並ぶことで有名な東京・神田神保町では「第66回東京名物神田古本まつり」が開かれ、多くの本好きで賑わいます。このほか2022年にはじまった読書推進キャンペーン「BOOK MEET NEXT」など、さまざまなブックフェアが開催されることもあり、出かけてみるのもいいですね。
また、個人がやっている隠れ家的な本屋や、おしゃれなブックカフェなど、最近は書店の形もいろいろ。本だけでなく素敵な「本屋さん」を探すのも本好きならではの楽しみ方です。

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■読書の楽しみをつなぐ「しおり」
「しおり」は読みかけのページを示す実用品ですが、本を閉じても読書の時間を途切れさせず、楽しみをつないでいてくれる大切な存在です。歴史は古く、書物が巻物から綴じ物になった時から使用されてきたと考えられています。
紙製、木製、金属製、革製、プラスチック製など、素材もデザインも多彩なしおり。旅先の記念品や美術館、博物館、図書館などのオリジナルグッズとしてお気に入りに出会うことも少なくありません。しおりを挟んで本を閉じるたび、次にページを開く楽しみも膨らみそうです。

■秋の夜長を好きな1冊とともに
電子メディアの普及で、ページをめくって本を読むことが減ってきている現代ですが、面白い本、役立つ本、心を満たしてくれる本はいまも身近にたくさんあります。読書週間をきっかけに、普段は手に取らない本との新たな出会いがあるかもしれません。秋の夜長、温かな飲み物を片手にお気に入りの一冊を開いてみませんか。

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