日々の便り

2021年05月20日

草木が育つ「小満」。日本の原風景を思わせる「田毎の月(たごとのつき)」

5月21日は「小満」。二十四節気のひとつで、陽気が良くなり、草木が成長して茂り、動物や植物にも活気があふれる頃。万物が満ちはじめ、秋にまいた麦の穂も実って少し満足することから、小満となりました。

農家では田植えの準備が始まる時期で、西日本では梅雨のように天候がぐずつく「走り梅雨」が見られます。沖縄はすでに梅雨入りしていますが、沖縄では梅雨の時期を次の二十四節気の「芒種」と合わせて「小満芒種(スーマンボース―)」と呼んでいます。

また、田んぼに水を張るこの時期ならではの美しい風景もあります。長野県千曲市の姨捨(おばすて)の棚田は、国の重要文化的景観にも選定されており、斜面に広がる小さな田んぼそれぞれに月が映る光景は「田毎の月」といわれ、名勝となっています。

さて、七十二候では「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」に入ります。蚕の繭から絹をとるため、昔から人々の暮らしを支える重要な生き物として、大切に育てられてきました。その蚕が桑の葉を盛んに食べだす頃。ひと月ほどで、白い糸を吐きながら繭を作り始めます。

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一昔前までは、女性たちがその働き手となり、日本全国で盛んに行われてきた養蚕ですが、今は蚕を見たことがないという人も多いでしょう。養蚕にまつわる風習やことばもご紹介しています。

【暮らしの中の歳時記】養蚕の豆知識


【季節のめぐりと暦】二十四節気
【季節のめぐりと暦】七十二候
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