日々の便り

2021年06月26日

七十二候「菖蒲華」。万葉の時代から愛された「露草」

今日から七十二候の「菖蒲華(あやめはなさく)」です。あやめの花が美しく咲き始める頃。この菖蒲(あやめ)とは、端午の節供に用いる菖蒲(しょうぶ)ではなく、花菖蒲(はなしょうぶ)のことです。

花菖蒲が園芸植物として盛んに改良され、多くの品種が生まれたのは江戸時代。大輪から小輪、多彩な色や形の花菖蒲は人々に大人気で、江戸の堀切周辺(現在の東京都葛飾区堀切周辺)には、さまざまな品種を集めた菖蒲園がたくさんできました。

花菖蒲とよく似た花に、あやめやかきつばたがあります。「何れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」ということわざもあります。これはどれも美しくて優劣つけがたいという意味ですが、皆さまは花菖蒲とあやめを見分けられますか?

見分け方のポイントは、 花菖蒲は水辺などの湿ったところに群生しており、花の色が多様です。青紫や赤紫、白や絞りなど、大きな花をつけ、花の真ん中に黄色い斑があります。あやめは、山野に生え、水がなくても生育します。紫色の花を咲かせ、真ん中に黄色い斑があり、それが網目模様になっています。

さて、6月頃から青い小さな花をつける「露草(つゆくさ)」は、庭先や道端などにも咲く身近な夏の花です。明るい青色が特徴的で、古くから染色に用いられてきました。

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時に群生するほど繁殖力が強い露草ですが、ひとつひとつの花は朝咲くと昼にはしぼんでしまいます。そのはかなげな姿に古くから愛されてきた野の花です。露草の愛される秘密はどこにあるのでしょうか。

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