2022年08月25日

豆腐

夏の涼味として手軽に味わえる「冷ややっこ」。調理の手間がなく、火も使わず、薬味をちょっと変えれば様々なアレンジも楽しめます。シンプルなだけに豆腐本来の味が味わえるともいえます。もちろん、冷ややっこだけでなく、みそ汁に入れたり、炒め物や煮物にしたりと豆腐の活躍する場は幅広いですね。豆腐が嫌いという人はめったにいないと思いますし、海外でも人気となっています。私たちの食卓に欠かせない豆腐の豆知識を集めてみました。

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■豆腐はいつごろ生まれた?
豆腐は中国発祥といわれています。16世紀に書かれた「本草綱目」には、紀元前2世紀、前漢の淮南王・劉安がはじめたとされていますが、唐代まで他に記録がないことから、豆腐が作られるようになったのは唐の時代とするなど、諸説あります。
日本へは奈良時代、遣唐使による仏教伝来とともに伝わったとされています。奈良時代から室町時代中期頃には京都を中心に豆腐の製法や料理法が広まりました。そして豆腐を使った精進料理も寺院を中心に発達しました。
豆腐が庶民の口に入るようになったのは江戸時代。江戸の街で早起きなのは豆腐屋と納豆屋といわれ、朝食用に天秤棒を担いで売り歩いたとか。また、日本料理書の古典「豆腐百珍」の正編と続編には様々な豆腐料理が掲載され、大人気となりました。

■豆腐ができるまで
豆腐の原料は、大豆と凝固剤だけと、いたってシンプルです。
大豆を水に浸け、水分を含んで大きくなった大豆をすりつぶします。このすりつぶしたものを「呉(ご)」といいます。これに野菜などを加えて煮て、みそで味付けした料理が呉汁です。
「呉」を加熱して圧搾、ろ過すると「豆乳」と「おから」になります。
「豆乳」に凝固剤を入れて固め、型箱に入れる前の寄せた状態のものを器に盛ったのが「寄せ豆腐」。木綿を敷いた型箱に入れて水切りしたものが「木綿豆腐」です。また、豆乳を型箱に入れて凝固剤を加え固めたものが「絹ごし豆腐」です。
凝固剤は、昔は海水から塩を作るときにできる天然の「にがり」を使っていました。にがりの主成分は塩化マグネシウムです。市販の豆腐では、にがりのほかに硫酸カルシウムなどいくつかの凝固剤が使われています。消泡剤を使用している場合もあります。

畑の肉ともいわれる、栄養豊富な大豆からできている豆腐。大豆の栄養についてはこちらもご覧ください。
【旬の味覚と行事食】秋/大豆

■豆腐のネーミング豆知識
・「木綿豆腐」は型箱に敷いた木綿の布目がつくので「木綿豆腐」と呼ばれます。しかし、「絹ごし豆腐」は絹を敷いているわけではなく、でき上がった豆腐が絹のようになめらかだからその名がついたそうです。
・「豆腐」の「腐」は腐るという字なのでイメージが良くないと感じる方もいるかもしれませんね。発祥の地中国では「腐」は「液状のものを固めたやわらかいもの」を意味する言葉だそうです。そう知ると合点がいきます。

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■豆腐の種類いろいろ
できあがった豆腐にもうひと手間かけた食品もたくさんありますね。焼き豆腐や、油で揚げた厚揚げ、油揚げ、がんもどき。豆腐を凍らせ、乾燥させて作る高野豆腐は保存食品でもあります。

また、日本各地に郷土色豊かな豆腐があります。
・つと豆腐(福島県)
豆腐を細長く切ってわらで包み、塩を加えた熱湯で煮たもの。日持ちが良く、煮ると味が染みやすい。同様の豆腐に、島根県・山口県、九州地方一帯に伝わる「すぼ豆腐」があります。
・いぶり豆腐(岐阜県)
木綿豆腐を一昼夜みそ漬けにした後、煙でいぶした豆腐の燻製。食べるとチーズのような風味があり、日持ちも良いのが特徴。同様のいぶり豆腐は東北の岩手県、秋田県などにも。
・イギス豆腐(愛媛県)
イギスという海藻を大豆の粉と一緒に煮溶かして固めたもの。愛媛県の瀬戸内地方で古くから行事食として食べられていました。
・菜豆腐(宮崎県)
木綿豆腐を作る際に、季節の野菜をゆでて刻んだものを彩り良く混ぜて固めたもの。
・島豆腐(沖縄県)
生しぼりの豆乳から作られた豆腐。昔は凝固剤の代わりに海水を加えていました。日本の豆腐の原型といわれています。

参考:農林水産省「全国各地の名産豆腐」

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