新米がおいしい季節です。玄米には白米に比べてビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれていますが、そのままでは食べにくく、精米して白米にされます。その時出るのが「米糠(こめぬか)」で、玄米からの栄養素が多く含まれています。
この栄養たっぷりの米糠を活用したのが、「糠漬け」です。
何世代も引き継がれ、守られ続ける糠床もあるように、漬けるほどにおいしく、わが家流の味になる糠漬け。意外と簡単にできるので始めてみませんか。
■糠床の作り方
今は、すでに発酵済みの糠床も売られていますが、わが家の味を追求するなら、糠床づくりから始めてみるのもいいですね。
【材料】
・米糠(できれば生糠)・・・1kg
・粗塩・・・100~200g
・水・・・6~7カップ
・昆布・・・5cm角2枚
・鷹の爪・・・1本
・捨て漬け用野菜(キャベツの芯や外葉、大根やかぶの葉など)
【道具】
・漬けこみ容器(容量は糠の3倍程度が目安)
※しっかりふたが閉まる容器を使います。冷蔵庫保管などもする場合、長方形のホーロー容器が使いやすいと思います。
【作り方】
①水に粗塩を加えて煮溶かし、火を止めて40℃以下に冷まします。
②消毒した容器に糠を入れ、①を少しずつ加えて、耳たぶ程度の固さになるまでよく混ぜます。
③風味づけに昆布と鷹の爪を入れます。好みでにんにく、しょうが、からし粉、実山椒などを入れても。
④捨て漬け用野菜を底の方に漬けます。空気が入らないように押さえつけ、容器の周りをペーパータオルなどできれいに拭き、ふたをします。
⑤1日1回、糠床を混ぜ2~3日で捨て野菜を出して取り替えます。これを2週間ほど繰り返し、糠床がしっとりと味噌のようになったら完成。本漬けをはじめます。
■本漬け
基本の漬け方は、野菜に塩を少々ふって手ですり込むようにしてから糠床に入れます。空気を抜くように押し、表面を平らにしたら、容器の内側や縁のまわりについた糠を拭き取り、ふたをします。
これからの季節なら、大根やにんじん、かぶ、かぼちゃやブロッコリーなどもおすすめです。かぼちゃやブロッコリーは固めにゆでて冷めてから漬けこみます。大根は1日天日干しすると漬かりやすくなります。干し大根には塩を振らなくても大丈夫です。
好みでいろいろな野菜を漬けてみるのも楽しいですよ。
■保存と毎日のお手入れ
・保存の最適温度は20~25℃。夏は涼しいところへ、冬は少し暖かいところが良いようです。
・基本は、1日1回、糠床の上下を入れ替えるようにかき混ぜて発酵を促します。夏は1日2回、冬は2~3日に1回が目安。糠漬けを毎日漬ける必要はありませんが、かき混ぜだけは行います。素手で混ぜることでさらにうま味が出ます。
・かき混ぜを怠ったりすると、表面に白い膜のようなものができることがあります。これは「産膜酵母」というカビの一種。少しぐらいなら、そのまま混ぜ込んで大丈夫ですが、大量に発生した時は取り除いて、糠を足します。
・糠床が水っぽい時は干し大根や干ししいたけなどの乾物を入れると、水分を吸ってくれます。
私も最初は味が決まらず、今一つおいしく漬けることができませんでしたが、しばらく漬け続けるうちにだんだんと味が良くなってきておいしく漬かるようになってきました。今はかぶの糠漬けにはまっています。季節ごとのわが家の味づくりを楽しんでみませんか。
2017年11月21日