「しらす」は、1年中出回っていますが、春から秋にかけてがしらす漁のシーズンになり、おいしい春しらすが出回ります。都心からも近い湘南、鎌倉や江の島などの人気観光地では、この時季、新鮮なしらす料理を求める人で賑わいます。旬のしらすについてのまめ知識です。
■しらすは魚の赤ちゃん
身近な食品のしらすですが、しらすという名前の魚がいるわけではありません。しらすはカタクチイワシやマイワシ、ウルメイワシなどのイワシ類を中心とした魚の稚魚の総称です。イワシの他、アユやウナギ、ニシンなどの稚魚が混ざることもありますが、一般にスーパーに並んでいるのはほとんどがイワシの稚魚です。
しらすは、獲れたては半透明で透き通るようですが、ゆでると白くなるので「白子(しらす)」と呼ばれるようになったという説があります。
■しらすの産地と旬
しらすは日本各地で獲れ、旬は地域によって多少ズレはありますが、春と秋の年2回です。
兵庫県淡路島など明石海峡のしらすは4~5月と9~11月が旬。愛知県産は春から秋にかけて獲れますが、特においしい旬は6~8月といわれます。静岡県産は6~9月、神奈川県産は春から初夏がベストシーズン、茨城県産は9~10月がおいしい時期といわれています。
春のしらすは、冬に生まれた稚魚が成長したもので、小さいながらぷりぷりとした食感、秋のしらすは春に生まれた稚魚で、脂がのって食べ応えがあり、甘みが強めといわれます。
■しらすの栄養
しらすは、カルシウムやビタミンDを豊富に含んでいるので、骨や歯を強くするにはもってこいの食品。その他、からだを作るたんぱく質、DHAやEPAなどのオメガ3系の脂肪酸も含まれています。しらすは頭から骨まで丸ごと食べられるので、効率よく栄養を摂ることができます。
ただし、塩ゆでされて売られていることが多く、食べすぎると塩分の摂りすぎになることもあります。塩分が気になる時は、再度ゆでて塩抜きする方法もあります。プリン体が多いので、日ごろから注意している方は食べすぎないようにしましょう。
■生しらすとしらすの加工品
しらすはすぐに傷むので、生で食べるときは鮮度が命です。近年は冷凍の生しらすもありますが、できれば産地で、新鮮な旬の生しらすを食べたいもの。醤油やポン酢でさっぱりと食べたり、ごはんに乗せて生しらす丼にしたり、産地ならではのごちそうです。
加工品では「釜揚げしらす」「しらす干し」「ちりめんじゃこ」などがあります。
・釜揚げしらす:新鮮なしらすを塩ゆでして、軽く水気をきったもの。しっとりしていて口当たりが柔らかく、そのまま食べたり、料理に使ったりします。
・しらす干し:釜揚げしらすを天日干しや機械で乾燥させて水分を少し抜いたもの。スーパーなどでよく見かけ、少し日持ちもするので使いやすいです。
・ちりめんじゃこ:しらす干しをさらにしっかりと乾燥させ、カリカリとした食感に仕上げたもの。味も凝縮されています。和え物やサラダのトッピング、炒め物やつくだ煮にしても。
また、「たたみいわし」はイワシの稚魚を板状に広げて素干しにしたもの。見た目が畳のようなのでこの名があります。軽くあぶっておつまみなどにされます。
■しらすによく似た「白魚(しらうお)」「素魚(しろうお)」
しらすと白魚は見た目がよく似ていますが、全く別の魚です。
白魚はキュウリウオ目シラウオ科の魚で、成長しても10cmほどの魚です。旬は冬から早春で、青森県の小川原湖や、茨城県の霞ケ浦、島根県の宍道湖などの汽水域で獲れます。網にかかるとすぐに死んでしまうような繊細な魚で、てんぷらや寿司、吸い物などに高級魚として扱われます。
また、「素魚(しろうお)」という魚もいます。素魚はスズキ目ハゼ科で、成魚になっても3~6cmと小さく、透き通った魚です。日本近海で獲れ、踊り食いが有名です。
関西などでは素魚をシラウオということもあり、区別がわかりづらい面もあります。
2026年04月15日

