一口に雨と言っても、さまざまな降り方があります。そして雨の名前も、降り方や降る時期、時間帯、また季節や感情によってもさまざまな呼び名で呼ばれています。
					例えば、弱く細かく降る「小雨」「霧雨」「小糠雨」(こぬかあめ)「時雨」。日本人の自然に対する繊細な感覚がニュアンスの違いを感じて、多彩な表現を生み出しています。

季節ごとに雨の降り方も変わる日本。さまざまな雨が降り注ぎます。
春の雨
・桜雨、花の雨
				桜の花が咲くころに降る雨。
				・春時雨(はるしぐれ)
				春のにわか雨。桜のころなら「花時雨」。
梅雨時の雨
・走り梅雨、迎え梅雨、梅雨の走り
				梅雨入り前のぐずついた天気を表します。
				・卯の花腐し(うのはなくたし)、黴雨(ばいう)、五月雨(さみだれ)
				梅雨の異称。「五月雨」の「さ」は田の神様で「みだれ」には水垂れという意味もあり、旧暦5月の長雨のことを指します。「五月晴れ」は梅雨の晴れ間のことを意味します。
				・空梅雨、早梅雨(ひでりつゆ)、枯れ梅雨
				雨が少ない梅雨。
				・戻り梅雨、返り梅雨、残り梅雨
				梅雨明け後に再び雨が降り続くことです。
				・男梅雨
				晴天が多いが降ると激しい、ザーッと降ってカラッと晴れる梅雨のこと。
				・女梅雨
				弱い雨がしとしとと降り続く梅雨のこと。
				現代では、「男梅雨」「女梅雨」には異論のある方も多いかもしれませんね!?
夏の雨
・青葉雨、翠雨(すいう)、緑雨
				初夏の青葉をつややかに見せる雨。
				・瑞雨(ずいう)、穀雨(こくう)、甘雨(かんう)
				穀物や草木を潤す雨。
				・洒涙雨(さいるいう)
				七夕に降る雨。織姫と牽牛が逢瀬の後で流す涙、あるいは逢瀬が叶わなかった哀しみの涙の雨といわれています。七夕の切なさが伝わってくる雨の名前です。
秋の雨
・秋入梅(あきついり)
				秋の長雨の季節に入ること。
				・秋霖(しゅうりん)、秋湿り
				秋の長雨のこと。
冬の雨
・氷雨(ひさめ)
				晩秋から初秋の冷たい雨。
				・冬雨(とうう)、寒雨(かんう)、凍雨(とうう)
				冬の冷たい雨。



