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2018年11月26日

秩父夜祭

毎年12月2日、3日に行われる秩父神社(埼玉県秩父市)の例大祭「秩父夜祭」は、京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに日本三大曳山祭の一つに数えられる、豪華絢爛な冬の祭りです。笠鉾・屋台の曳き廻しや屋台囃子、夜空を彩る花火、屋台歌舞伎、曳き踊りなどが行われ、師走の秩父の町が熱く盛り上がります。



■秩父夜祭の由来

秩父夜祭は、江戸時代の寛文年間にはあったといわれ、300年余りの歴史があります。
江戸時代には秩父神社の例大祭とともに「絹の市」が立ち、秩父の経済を大いに潤したそうで、別名「お蚕(かいこ)祭り」とも呼ばれました。現在は、絹の市は立ちませんが、「夜祭(よまつり)」「妙見(みょうけん)さま」などと呼ばれ、秩父の代表的な祭りとして親しまれています。



■祭りの見どころ

 12月2日の宵宮(よいみや)は、朝から屋台4基の曳き回しが行われ、花火の打ち上げがあります。12月3日の大祭は、朝から6基の山車が勢揃いし、曳き回しが行われます。

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ご神幸行列や各町会の山車が秩父神社を出発する午後7時過ぎから、お旅所に到着するまでの午後10時頃までがお祭りのピークで、夜には盛大な花火が上がります。
 
・豪華絢爛な屋台と笠鉾

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秩父夜祭では、4基の屋台と2基の笠鉾が、勇壮な屋台囃子を打ち鳴らしながら街中を曳き回されます。屋台や笠鉾は、極彩色の彫刻や後幕の金糸の刺しゅうなどに彩られ、『動く陽明門』といわれるほど豪華絢爛なもの。昭和37年に国の重要有形民俗文化財に指定されました。


・屋台歌舞伎

屋台本体の左右に張出舞台という付け舞台を加え、間口を広げ、芸座・仮芸座や花道などを設けて秩父歌舞伎が演じられます。現在は4つの町内の4基の屋台が当番制で上演しています。この秩父歌舞伎と地元の花柳一門と杵屋一門による曳き踊り、秩父神社神楽は「秩父祭りの屋台行事と神楽」として国指定重要無形民俗文化財となっています。


・花火

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芝桜で有名な羊山(ひつじやま)から数千発の花火が打ち上げられ、祭りのクライマックスを彩ります。花火というと夏の風物詩というイメージがありますが、冬の澄んだ夜空に上がる花火は、より鮮明で、ダイナミック。極彩色の屋台や笠鉾と冬の夜空を染める花火の共演が秩父夜祭の醍醐味です。

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