日々の便り

2015年08月14日

楽しいだけじゃない、なぜか切ない「盆踊り」の理由。

8月15日はお盆。各地で様々なお盆の行事が行われていることでしょう。
お盆といえば盆踊り。日暮れ時、「ドーンドーンカッカッカ」と威勢のよい太鼓の音が聞こえ始めると、盆踊り会場へと心が逸ります。ゆらゆら揺れるたくさんの提灯の灯りに照らされて、幾重にも重なる浴衣姿の踊り手の輪。夜店が並び、子どもたちがはしゃぎまわります。夏の夜を盛り上げてくれる盆踊りですが、実は単なるサマーイベントではありません。

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本来、盆踊りはお盆に帰ってきた先祖の霊を慰める霊鎮め(たましずめ)の行事で、死者を供養する「念仏踊り」(自分で念仏を唱えながら踊る)が原型です。次第に念仏を唱える人と踊る人に役割が分化し、発展した「踊り念仏」が盂蘭盆(お盆のこと)と結びつき、精霊を慰めて送り出すための行事になりました。今はお盆以外の時期に盆踊りを行うことがありますが、本来は旧暦7月15日の晩に盆踊りを行い、16日に精霊送りをしていました。

また、盆踊りはみんなで集まって踊ることで、地域の結びつきを深めたり、帰省した人の再会の場所になったり、男女の出会いの場にもなりました。本来、盆踊りの晩(旧暦7月15日)は満月。月明かりの下、月の引力の影響で気分も高揚し、子どもたちはしゃぎ、大人達は様々な思いを胸に踊りました。盆踊りは、祖霊になった人々との別れを惜しむ踊りであり、人の出会いや別れとともに過ぎ行く夏を惜しむ踊りでもあるのです。そのためでしょうか、楽しいだけではなくなぜか切なさを感じます。

一夜明ければ精霊送りです。送り火を焚いて、先祖の霊をお送りします。地域によっては海や川に送り火を流して精霊送りを行います。有名なところでは、長崎の「精霊流し」、奈良の「大文字送り火」が毎年8月15日。京都の「五山送り火」と「嵐山灯篭流し」、福井「敦賀とうろう流しと大花火大会」が毎年8月16日に行われています。

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