日々の便り

2016年07月11日

七十二候「蓮始開」。天上の花と呼ばれる蓮のいわれ

7月12日から七十二候の「蓮始開(はすはじめてひらく)」。蓮の花が咲き始める頃。優美で清らかな蓮は、天上の花にたとえられ、お盆には欠かせません。今週7月15日はお盆という家もあるでしょう。13日は迎え盆(お盆の入り)にあたりますから、蓮の花や葉で盆棚を飾る方も多いと思います。
仏教では、蓮は泥の中に生まれても汚れなく清らかに咲くことから「清浄無比の花」と尊ばれています。多くの仏典に「蓮華(れんげ)」の名で登場し、仏像の台座にもその形がよく使われています。

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「蓮」という名前の由来は、花の中心部にできる花托(かたく)の形が蜂の巣に似ていることから「はちす」となり、「はす」と呼ばれるようになったといわれています。
蓮の地下茎がレンコンです。花の中心部の花托の中に入っている蓮の実は、料理やお菓子に使われます。食用にする蓮は、蓮田で栽培されています。

蓮は、最も古い植物のひとつで、およそ1億4000万年前にすでに地球上に存在していたといわれており、日本でも約2000年前からすでに栽培されていたと思われます。
蓮の生命力は驚異的で、この古代の蓮の実が昭和の時代になって発芽し、再び人々の目を楽しませてくれています。埼玉県行田市には古代蓮の自生地があり、「古代蓮の里」として親しまれています。

この他にも蓮の名所はたくさんあります。その中の一部をご紹介しますが、蓮の花は早朝咲き始め、昼になると閉じてしまいます。花をご覧になるならとにかく早起きして出かけましょう。夏の朝、まだ少し空気がヒンヤリとするうちに静かに開き始める姿は一見の価値ありです。

【季節のめぐりと暦】七十二候
http://i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしの中の歳時記】夏の花―水辺に咲く蓮と睡蓮
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_natsu/2018-071010.html

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