日々の便り

2020年01月24日

七十二候「水沢腹堅」。奈良「若草山焼き」は冬の風物詩

1月25日から七十二候では「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」になります。沢に流れる水さえも凍る厳冬の時期ということで、その光景を想像するだけで震えてしまいますね。
沢の水どころか滝まで凍ってしまうと「氷瀑(ひょうばく)」となります。滝によってさまざまな姿形が造り出され、氷瀑はまさに自然が作り出した氷の彫刻といえます。
湖に厚く氷が張ればワカサギの穴釣りが解禁です。釣りあげたワカサギは天ぷらなどにして食べるとおいしいもの。寒さの中にも様々な冬の楽しみ方がありますね。

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さて、毎年1月の第4土曜日に、奈良公園内で「若草山焼き」が行われます。若草山とは、全面芝生に覆われた丘が3つ連なったなだらかな山で、奈良公園の名物でもある鹿も見られます。頂上には鶯塚古墳(うぐいすづかこふん)という大きな前方後円墳があります。「若草山焼き」の起源は、この鶯塚古墳に眠る霊魂を鎮めるための祭礼として、江戸時代末期ごろに若草山に隣接する東大寺・興福寺と奈良奉行所が立会いの下、山焼きをするようになったなど諸説あります。

「若草山焼き」が夜に行われるようになったのは明治の頃からで、現在は若草山焼きの前に「奈良礼讃大花火」が行われます。若草山の一重目山頂から数百発の花火が打ち上げられ、その後一斉に若草山に火が点けられます。若草山焼きの火は春日大社・春日の大とんどで採火された御神火を移したものです。
冬の花火も珍しく美しいものですが、その後、夜空を赤く染めて燃え上がる炎に包まれた若草山の姿も壮観です。

【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/index.html
【季節の行事】若草山の山焼き
https://www.i-nekko.jp/gyoji/2019-012510.html

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