日々の便り

2020年02月08日

七十二候「黄鴬睍睆」。「初午」には稲荷ずしで豊作祈願

2月9日からは七十二候の「黄鴬睍睆(うぐいすなく)」です。山里で鴬が鳴き始める頃。春の訪れを告げる鴬は「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれます。「梅に鶯」とよくいいますが、梅の花も早春一番に開花するおめでたい花。実際に梅の木にとまる鶯色の鳥はメジロだそうですが、春の到来を表すおめでたい梅と、春の訪れを告げる鶯の取り合わせは人々の理想のイメージで、「取り合わせが良いふたつのもの。美しく調和するもののたとえ」として親しまれてきました。

また、2月最初の午の日は「初午」。この日に、京都・伏見稲荷大社の地に稲荷神が降りたとされ、やがて全国に「初午祭」が広まりました。稲荷の名は「稲生り」から来たともいわれ、伏見稲荷をはじめ大阪の玉造稲荷、愛知県の豊川稲荷など、各地の稲荷神社で盛大に祭がとり行われます。2020年は2月9日が初午にあたります。

稲荷神社といえばキツネがつきもの。キツネは、春になると山から下りてきて田んぼのネズミを食べ、秋には山に帰ることから「稲荷神の使い」とされました。稲荷神社のキツネの像をよく見ると、口になにか咥えています。米倉の鍵や鎌、玉など神社によって違いがあるそうですが、「稲荷神の使い」としてみると納得できるものばかりです。

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そのキツネの大好物が油揚げ。そこで、初午の日には油揚げや油揚げにすし飯を詰めたものを奉納するようになり、これが稲荷ずしの始まりだといわれています。稲荷ずしの形は、東日本では米俵に見立てた俵型ですが、西日本ではキツネの耳に見立てた三角が主流。面白いですね。

また、初午の行事食として有名なのが、栃木県を中心に北関東に伝わる「しもつかれ」。
鮭の頭と、鬼おろしですった大根やにんじん、油揚げ、大豆、酒粕などを煮た料理で、おせち料理や節分の豆の残りなどをうまく使った栄養満点の郷土料理です。

【季節のめぐりと暦】七十二候
https://www.i-nekko.jp/meguritokoyomi/shichijyuunikou/
【暮らしのまつり・遊び】初午
https://www.i-nekko.jp/matsuri_asobi/matsuri_fuyu/hatsuuma/
【四季と行事食】しもつかれ
https://www.i-nekko.jp/mikaku/mikaku_fuyu/shimotsukare/

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